「風神社」で必勝祈願

 【3月24日】

 廣田神社の末社を御参りした。阪神タイガースの「必勝祈願」が終わった後だ。「よく、存在を見つけられましたね。なかなか、レアですので…」。同社の神職の方に褒めていただいた。

 確かに、Googleマップを頼りに進んでも分からなかった。廣田参道筋を北へあがれば、住宅街の真ん中で「到着」の表示が出る。が、ピンが示す位置は路地裏で行き止まり。通りがかりの方に道を訪ねると、「ありますね。地元の人間もよく分かっていませんが…」。神秘的でいいじゃないか。

 見つけた。民家の細い路地を進めば小さな石の祠が二基鎮座している。

 その名も「風神社」。「ふう・じんじゃ」と読む。二基の石祠は、級長津彦命(しなつひこのみこと)と級長津姫命(しなつひめのみこと)。日本神話に於ける「風の神」である。このご祭神が夫婦であることから、「運命の神様」ともいわれている。

 なぜここを参ったかといえば、もちろん必勝祈願だ。が、偉そうなことは言えない。実は知人から教わった。以前ここで書いたが、縁あって、毎年なぜか沖縄で上場企業の経営者の宴席に呼ばれる。そこで聞いた「風の神様」の存在…御利益があるというのだ。

 長年の西宮市民でも知らない「風神社」は、前出の神職によれば「伊勢神宮で祀られる風日祈宮(かざひのみのみや)、外宮の風宮(かぜのみや)、その神様の御胴体です」。元寇の際に「神風」を起こした功績により共に伊勢神宮の別宮に加わったとされる二宮の御神体…ともなれば、野球に限らず多くの分野の勝負師は拝みたくなる。

 勝負事は時に「風」に左右される。2年目へ向かう藤川阪神は「神の風」を味方につけられるか。廣田神社の宮司は「ケガ、過ち、病気が一切無いように…」と、阪神タイガース一同に語りかけた。背筋を伸ばした指揮官の藤川球児は「勝運の神」ともいわれる廣田さんで何をお願いしたのか。それを虎番に問われると、「お祈りというのは秘めておくものですから」。

 プロ野球OB、評論家によるペナントレースの予想は「阪神優勢」の声で溢れている。戦力を比較分析すれば確かにそうだし、オープン戦を終えた球児は「準備は完璧にできた」。連覇の機運が周囲の熱量でどんどん高まれば長く虎を見てきた者としては、いささかこそばゆい。そんなに褒めないで…とも言いたくなる。だからこの日「いま冷静にいる状態で、少し冷ましている」と語った球児に風格を感じる。

 風神社への参拝を「レア」だと仰る神職に阪神への御利益を聞いてみた。

 「旋『風』を巻き起こす…ではないですけど、色んな縁を結びつけるという意味でもいいかもしれません」 

 それはありがたい。嶋村麟士朗、岡城快生、石黒佑弥ら初の開幕1軍当確のメンバーはもちろん、今シーズン台頭が期待される戦力、新加入勢にそれを期待する。さて、チームはいよいよきょう東京へ向かう。藤川阪神に連覇への追い風を、そして、暴風で荒れれば鎮める神風を。二礼二拍手…こちらの準備も完璧にできた。=敬称略=

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