新助っ人が眺めた軌道
【7月27日】
新外国人グラント・ハートウィグが記者席からDeNA戦を観ていた。僕の席から見れば、右斜め前に彼の後頭部。球団関係者と並んで頬杖をつきながらフィールドに目を凝らしていた。
目の前にスマホを立て、中継映像を確認していた彼が何か尋ねるように隣席に耳を傾けたのは二回裏である。
坂本誠志郎への初球。2死二塁からDeNA石田裕太郎がインサイドへ沈む球を投げたあとだ。
何か気になったの?なんて面識もないのにぶしつけに聞けない。だから、これは妄想だけど、DeNAの変則右腕が多投した変化球を「あれは何?」と聞いていた…。ん?まったく違う?
いや、違ってもいい。
サカモトさんはよく打ったね!
ひとまず、そんな感想を持ち帰っただろうか。この回、大山悠輔が三振したシンカーの軌道について、坂本は大山本人から聞いて頭に入れていた。
坂本「どんな感じ?」
大山「フォークでもなく、チェンジアップっぽい感じです」
坂本はその独特のシンカーを頭に入れながら初球のスライダー(本人談)を見送り、2球目のツーシームをレフトへ運んでこれが先制打になった。
「初見の投手はまずまっすぐにタイミングが合わないとしんどい。見てもない球を意識し過ぎてもうまくいかないことが多いので…。チェンジアップっぽい軌道を情報として入れて、どこかでそのシンカーが来るだろうなとは思いながら、外から入ってくる独特な軌道の直球に意識を置いて打席に立っていたというのが本当のところです」
虎番の囲み取材が解けた後、坂本に聞けばそんなふうに答えてくれた。
さて、その坂本が近いうちに要求するであろうハートウィグの宝刀といわれるシンカーはどんな軌道で沈むのか…。米国時代の映像を見る限り、変則サイドから高速シンカーを多投する。タテ変化の大きさはあまりないように見えるが、沈み方は独特だ。
沈むといえば…これも二回だ。森下翔太の三塁へのゴロをゴールデン・グラブ賞2度の宮崎敏郎がよもやのトンネル…。グラブを落とすタイミングがやや早かったか。打球は構えたその股間を抜けてレフトへ転がっていった。
いつ沈むか。いつ跳ねるか、土に聞いてくれ…。打者の走路はスパイクの足形が重なる。気候、湿気にも左右される土のグラウンド。阪神園芸の神整備?毎イニング整えるわけじゃない。かつて小幡竜平にぶっちゃけ聞けば、人工芝の球場へ行けば「少しホッとする」という。だから、いつも甲子園で守る阪神の内野陣には頭が下がる。ハートウィグの目には自軍の野手の堅守も頼もしく映ったはずだ。
大学時代に医師を志して研鑽を積んだという新助っ人だから、きっとベースボールへの研究心も強いと思う。この夜、強烈に吹いた浜風も高い位置の記者席でよく感じただろう。この風向きを計算すればどんな投球が有効か。そんなことまで考えたかもしれない。坂本の配球に応える舶来右腕の姿が今から楽しみになる。=敬称略=
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