終局のメダルにつなげる
【9月28日】
三井住友銀行に勤める知人とばったり会った。西宮市内の住宅街である。ともに散歩。かれこれ5年ほどご無沙汰していたものだから、近況など聞いているうちに、20分ほどの立ち話になった。
「やっぱり、岡田さんはすごいんですか?」
その知人とはともに、かつて少年野球に携った間柄で、向こうも僕の職業を知っている。
SMBCシートでもお馴染みの甲子園だし、会社として年間席を持っているそうで、接待でもシーズンに何度か阪神戦を観戦に球場へ足を運ぶことがあるという。管理職になって久しい彼は言う。
「リーダーが変わって、チームの雰囲気が変わりましたよね」
そう問われたものだから、僕なりの見解を返しておいたが、社内にも阪神ファンは多いらしく、とにもかくにも、関西経済にとっても「景気がいい」と喜んでいた。
チームの雰囲気って…。
勝てばベンチの雰囲気が良くなるのは当然だけど、スタンドから見ていてもチームの雰囲気まで分かるものなのか??なんてことを考えてみたり。
「選手一人ひとりの情熱とチームの団結力、それらを正しい方向に導く首脳陣のマネジメントが結実した結果だ」
これは、三井住友銀行の副会長角元敬治がこの日(28日)の日経新聞で『猛虎熱気』と題したインタビューに答えたものである。
関西経済同友会代表幹事を担う角元は阪神が日本一に輝いた1985年に住友銀行に入行。当時甲子園に同銀行の研修所があったそうで、たまたま、観戦した4月の巨人戦でバックスクリーン3連発を目撃したという。
岡田彰布という指揮官は「情熱と団結力を正しい方向へ導くマネジメント」に長けていた-そんな受け止め方を聞けば、あらためて考えさせられる。
情熱と団結力は間違いなくあった。力もあった。でも、勝てなかった。例えば、岡田のどんなマネジメントが正しかったのだろうか…。
同じくこの日の日経新聞、スポーツ面のコラム『逆風順風』は、「本塁打の儀式」をテーマに、大谷翔平のそれが冒頭で、締めに阪神のそれが触れられている。
〈本塁打の際、大きなメダルをかけていた阪神は今年、儀式をやめた。(中略)「過程」のメダルをやめたことが、リーグ優勝という終局のメダルにつながったか〉
日経コラムの筆者は断定はしていない。が、論調をたどれば、書きたかった結論は推察できる。
個人的には、ファン手作りのメダルに癒やされていたタイプだけど、岡田がその儀式をやめた理由を理解するファンも多い。
メダルパフォーマンスよりも、もっともっと喜んでもらうファンサービスを届けたい。優勝できるチームを作る。できなければ責任を取る。だから、俺は俺のやり方でやらせてもらう-。
そのマネジメントが正しかったかどうかは、ファンがジャッジする。=敬称略=
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