「10くらい跳ね返せる!」
【10月4日】
CSへ向け士気を高めるチームを追う一方で、来季へ向けた取材も同時に進めなければならない。
興味深く注目するのはファームである。長期的に育成を主題に掲げる阪神にとって重要な分隊だ。
平田勝男に代わり、新たに2軍を率いるのは和田豊である。
取材の限り、その職を要請された和田は快諾したと聞いた。
ご存じのように、和田は12年から15年までの4シーズン、1軍を指揮した第32代阪神監督だ。1軍監督経験者が7年の時を経て今度は2軍を任される。異例の人事ともいえるが、僕は賛成。
当然ながら、プロ野球は1、2軍がひとつの組織として戦う。つまり、2軍監督を指名するのは、1軍監督である場合が多い。もちろん例外はあるけれど、今回は、22日に新監督の要請を受諾した岡田彰布の意向で、球団が、球団TA(テクニカルアドバイザー)の和田に要請したという流れだ。
岡田は、和田が1軍監督経験者であることを気遣ったと聞くが、和田はこの要請に責任をもって応じた。
使命感。猛虎愛。
これは、あらためて取材したいけれど、それらが他に勝ったと僕は考えているし、新監督と球団の意向がマッチした人事と書いて間違いないと思う。
そういえば、4月半ば、自宅近くのコンビニで和田と遭遇した朝があった。
その時点でチームの借金は、はやくも10に達していた。
おはようございます。
「おう、風。元気か?」
元気は…ないですね。チーム、ちょっと、しんどいですね…。
「まあ、そうやな。でも、まだ大丈夫や。(借金)10くらいは跳ね返せる力はあるから」
ほんまですか?
「あるよ。メンツ、見てみ。投手力もそうだし、野手だって力あるよ」
そんなやり取りをして別れたがそのときは、和田サンもそう言うしかないよな…なんて、疑心暗鬼だった。
が、言う通りになった。
交流戦、そして反攻の夏…。最大16あった借金はどんどん減っていよいよ完済した日に、和田の言葉を思い返した。
10くらいは跳ね返せる-。
いや、それ以上。「16」もの負債を跳ね返す底力が阪神にあったのだ。
和田はTAとしてキャンプから主にファームの選手を指導してきた。現場で汗を流していたからこそ感じ取れた虎の地力。
開幕から期待した分、ただただ悲観するだけの僕とは違い、さすが「和田の眼」は確かだった。
岡田彰布も阪神は戦力的に「強い」と言っていた。
僕はCSに期待する。勝ってくれるんじゃないか。秋にピークをもってきたんだ…なんて都合のイイ自分もいる。14年以来の日本シリーズへいこう。あの年、指揮を取ったのは、ご存じ、和田豊。また、コンビニで会って勝算を聞いてみたくなる。=敬称略=
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