阪神をよく分かってない人

 もう次の監督って決まってるんですか?各所からその類の質問が飛んでくる。今年はずっと、きょうも飛んでくると思う。球団の方からもよく聞かれる。取材してるんでしょ?知ってるんですよね?

 当然トップシークレットの案件だから、公式発表までそれを知らない球団職員もいる。

 虎党の関心事は全て取材する。監督問題ならなおさら力が入るのが、この世界で筆をとるもの。

 コロナ禍で取材規制が多くて…いまだにそんな言い訳をしている者が一番みっともない。結果を出せなかったときのために、できない理由を考える。予防線をはっておく。見苦しいので、そんなスタンスならやめたほうがいい。

 なんて偉そうに書いているが、僕も結果を出せなかったことが山ほどある。

 言い訳をたれるくらいなら、職業にかかわらず、プロの肩書きを返上する。そんなカッコいい生き様をまねたいと思っている。

 「抑えられる自信もなかったですし、投げても結果が出るとは思えなくなったので…」

 引退を決断した能見篤史はそう語っていた。

 能見を慕っていた、ずっとリスペクトしていたデイリースポーツの後輩2人とともに、能見に会いに行ってきた。

 オリックスの話も、阪神の話もした。

 コロナ禍でなかなか会えなかったぶん、久々にみんなで笑った。能見の表情も晴れやかだった。

 「阪神の次の監督はもう決まってるんですか?」

 能見からも聞かれた。

 そりゃそうだ。野球界で生きて関心が無いなんてウソだから。

 能見との想い出を書くのはラスト登板に取って置くとして、きょうは、阪神の次期監督について…誰がやるという話ではなく、どんな人が理想かという話を。

 「阪神のことをよく分かってない人がいいんじゃないかな」

 鳥谷敬のこの見解は、すごくうなづける。

 毎日放送「東野&吉田のほっとけない人」に出演した鳥谷は、MC東野幸治から「次の監督は誰がいい?」と聞かれ、そんなふうに答えていた。

 見解の根拠は鳥谷とは少し異なるけれど、僕がそう感じるのは、阪神をよく分かっていなければ、選手をフラットに評価できるし、しがらみのないスタッフなら気を遣い過ぎる事もなくなるからだ。 キャンプになれば、よく「横一線」とか「競争」なんて言う指揮官がいるが、ガチンコの横一線はなかなか見られない。

 阪神をよく知る人が監督に就くと、ハナから選手の能力も適性もおよそ把握している。どうしたってバイアスがかかる。 

 真っさらな目で選手を見られる人、そうでなければ、暫く阪神球団から離れていた人が監督をすれば、このチームはおもしろくなるかも。が、理想は、阪神をよく知る人が劇的にフラットな目を持つことか。あれこれ言い訳をたれずに取材を続けたい。 =敬称略=

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