阪神は4位ですか?

 【1月13日】

 阪神球団の幹部ご一行がデイリースポーツ本社へ来られた。年始5日のことだ。新球団社長の百北幸司が弊社代表取締役の改発博明に就任の挨拶、そして予定時間を過ぎて歓談したわけだけど…。

 「デイリーさん、今年のタイガースは4位予想なんですね」

 球団副社長の谷本修は新春の挨拶代わりに、ちょっぴり皮肉を込めて改発に〈抗議〉した。

 4位…。

 そうだ。たしかに、本紙の正月企画で菱田易学宗家・菱田幸雄が「易学から見るプロ野球予想」で阪神をBクラスと予見した。なんでも矢野燿大とヘッドコーチ井上一樹の運気が下降気味で「八方塞がり」なんだとか。しかし、あくまで易学上のハナシでありデイリー編集局の見通しではない。改発もリアクションに困ったわけだけど、では、本紙の予想はどうか。

 毎年開幕前に、藤田平、岡田彰布、金本知憲ら本紙評論家諸氏がセ・パの順位を予想するのだが、当欄も偉そうに優勝予想だけはさせてもらっている。

 ここから前回の続きを書く。

 「優勝=阪神」と予想する条件その最上位に、僕は藤浪晋太郎のカムバックを挙げる。

 そんな見方、フツーじゃん?

 そうなんです。そのフツーが叶えば、矢野の運気はあがる。宮古島の菅野塾に入門した晋太郎がまずフツーを取り戻せるかどうか、そのプロセスを大いに注視するオフである。

 ときが経ったので書かせてもらう。

 何年前だったか、晋太郎と初めてサシでテーブルを囲んだ夜に、驚いたことがある。

 彼は自身を俯瞰し、10代でプロ10勝をクリアしたシーズンにまるで満足していなかった。それどころか、このままでは自分の描く理想の青写真、その目的地に到達できない危機感をも語っていた。

 そして人柄。菅野智之も称えていた晋太郎のそれについてここで語るまでもないけれど、まずもって礼儀は申し分ない男だ。一般社会に通ずる良識があるし、球場外のやりとりの中でも俗に言う「俺はプロ野球選手だから感」が全くない。地頭(じあたま)もいい。

 どれだけスーパーであれ成功を保障されない世界である。プロ野球における「成功」の概念を仮に「10年活躍」とするならば、歴代でも限られた者になるけれど、僕が知る限りでは、そこに「人柄」が伴わない者はいない。

 デイリー社長の改発は、来社した阪神球団の幹部に伝えた。

 「藤浪投手はエースとして起用するのが当たり前だと思います。彼は頭がいいから、使われ方で考え込んでしまう…」

 先発かブルペンか、起用のポジションはもちろん矢野が決めることだけど、僕も改発の主張と同様の認識であり、まず誰よりも晋太郎自身が「先発完投のスタイル」で結果を出してこそカムバックだと思っている(きっと)。

 「今年、藤浪はやりますよ」。4位予想に抗議した谷本は易学予想は覆る-と。=敬称略=

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