「信賞必罰」の阪神に
【12月22日】
ポストさん、うまいな…。ついつい、買っちゃったじゃないですか。そりゃこんな「巻頭特集」組まれたら、え?誰?誰??ってなりますよ。億万長者たちの「家」「車」「女」「趣味」…。
「日本の新長者番付100人」-今週号の週刊ポストである。
栄えある1位は孫正義。ソフトバンクグループのトップは保有金4・9兆円!だそうだ。
それにしても、よう調べはったな…と感心するんだけど、この100人の億万長者に、プロ野球のオーナーが3人…ソフトバンク、楽天、DeNAの総帥が名を連ねている。ちなみに、ソフトバンクは球団社長職も億の年収があると聞く…いや、わざわざこれに触れるのは僻(ひが)みじゃない。夢のあるハナシだな、と。
夢があるといえば、阪神の契約更改である。主力もほぼ交渉を終えているが、読者の皆さんの捉え方はどうだろうか。個人的な見方を書けば、コロナ禍の苦しい経営状況下で、タイガースは「夢」を大切にしている印象を受ける。
信賞必罰-賞すべき者には必ず賞を与え、罰すべき者は必ず罰する-とでもいおうか。阪神の場合罰という表現はおかしいけれど、つまり、成績を残した者には相応の…というスタンスが概ねうかがえる。もちろん、全ての者が納得することは永遠にないと思うが。
縁あって今年も何人か上場企業の経営者と話をさせてもらった。信賞必罰のハナシを聞いてみるとそれがない企業は「成長しない」と仰る方が多い。やっても報われない。正当に評価されない。そんな会社で誰が頑張ろうと思います?歪んだ評価は、ゆくゆく組織に歪みをもたらす。評価する側の質が問われるのだ、と。
阪神タイガースの球団社長職に億の年収はない。だけど、タイガースの選手、そしてプロ野球を志す野球人たちに、阪神は「やれば給料が上がる」「正当に評価される」「夢のある」球団だと感じてもらうよう努めることはできる。
そういえば、きのうも阪神の方から聞かれた。「新聞社の夢とは?」-。我が社の社長、改発博明に聞いておきますと返したが、個人的には…ま、いいか。
プロ野球選手は、なぜ頑張るのか。「億を稼ぐためです」と言う選手がほとんどか。「お金じゃない」と語る選手もいるだろうか。なんて考えれば、じゃ、サラリーマンはなぜ出世したがるのか。
一昨年、こんな記事を読んだ。
〈アジア向けリサーチ事業を展開するDI Asiaと海外向けPR事業を展開するカーツメディアワークスがアジアにおける「働き方」をテーマにした調査を共同で行った結果、インドネシア、ベトナム、タイでは「出世したい」と回答した人が7割を超えた一方日本の企業マンがそう回答したのは、わずか37%だった〉-。
出世?興味ないねぇ…。今のニッポンは、そんな風潮なのか。諸々理由が挙げられていたが、それもいくつかは「信賞必罰」のハナシに繋がるのでは?と感じたり。=敬称略=