阪神伝説の助っ人バース氏の通訳に“就任” 東大出身の元プロ野球選手に導かれた新しいチャレンジ
元阪神のランディ・バース氏(71)とソフトバンクホークス元取締役の小林至氏(57)。バース氏は50歳の頃にオクラホマ州で議員となり、12年間以上も政治家として地元に恩返しした。小林氏は東大出身プロ野球選手としてロッテに入団。1軍の舞台に立つことはなかったが、引退後は球団経営の分野で活躍。パシフィックリーグマーケティングの立ち上げなどに大きく貢献し、これから紹介する「スポーツマネジメント通訳協会」の創立者でもある。二人の共通点は、引退後の“第2の人生”でも社会貢献していること。最近50歳となった筆者は大きく励まされた。そしてお二人との出会いで“新しいチャレンジ”をゲットした。
筆者が初来日したのは23歳の時。あの日のことは今も鮮明に覚えている。来日前は「英語を教えに日本に行くし、日本人はある程度英語ができる。日本語を学ぶ必要はないでしょ」と語学をサボってきた。ところが初日にマクドに行ったらメニューは日本語のみ。店員は早口で日本語を話してくる。道案内を頼んでも理解してもらえない。職場で自分の意思を伝えようとしても通じない。友達作りは困難。ヤバい。中学校に勤めてた筆者は、同僚の英語の先生に頼りっぱなしの毎日を送ることになった。専用通訳がいたら困らなかっただろうけれど、そんな贅沢があるはずがない。
ところがプロ野球の世界には「通訳」という夢のような仕事が存在する。外国人選手とチームとの橋渡し役となり、練習から試合、会見、そして日常生活までサポート。まさにチームの一員として戦う仕事です。
筆者は最近、その第一歩を踏み出してみた。前述した「一般社団法人スポーツマネジメント通訳協会」の試験を受験したんです。同協会の検定には2段階が存在。まずはスポーツバイリンガル - Baseballという試験で、英語での野球用語やルール、リスニング能力が試される。そのテストをクリアすれば次の試験に挑む権利が与えられる。その試験はスポーツマネジメント通訳 - Baseball。こちらは実技がメインで、外国人選手と球団側のコミュニケーションの場面をシミュレーションする。筆記問題もちろんある。この試験に合格すると、協会認定「スポーツ通訳士」として 株式会社吉香 (通訳・翻訳会社)への通訳者登録が可能に。狭き門だろうけれど、プロ野球球団が通訳を探すときに候補者となる可能性が浮上する。
筆者が受験したのは、スポーツバイリンガルの試験。正直なところ自信はあって、満点を取ることができた。そして早速、資格が役立つチャンスが訪れた。その舞台は7月2日に大阪・常翔ホールで行われるランディ・バース氏のファンイベント。そこで伝説の助っ人の通訳を務めることになったのです!バース氏が初めて公の場で語る「バックスクリーン3連発」や「1985年の優勝秘話」など、阪神ファンにはたまらない内容。そのすぐ隣で、彼の言葉を日本語に変える…責任重大ですが、心から光栄な役目です。あまりの緊張に震えてしまうかもすれないけれど、スポーツバイリンガル検定で培った力を信じて全力で挑みたい。ちなみにチケットはまだ手に入るそうです。興味のある方は、チケットぴあでも購入できますので、ぜひご来場ください!
◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。
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