勝てない阪神は外国人選手も大誤算 カナダ人ファンの提言“助っ人”の概念を捨ててみては

 阪神がついに開幕9連敗。いったい、いつ勝ってくれるんですか?こうなると筆者のようなファン、そしてメディアは戦犯を責めてしまう傾向があるけれど、中でも外国人選手が著しく活躍していない。筆者だけでなく、誰の目から見ても明らかでしょう。

 ケラーは2試合に登板し、どちらもリードを守り切れず守護神の座を剥奪された。3番打者のマルテはコンディション不良で登録抹消となったけれど、そもそも調子が上がってなかった。2年目のロハス・ジュニアは未だに日本の野球に慣れているように見えず、ガンケルとアルカンタラは巨人戦から1軍復帰したものの本調子ではない。チェンにいたっては昨年5月以来、1軍マウンドから遠ざかっている。外国人選手陣は筆者が知る過去10年ぐらいで一番の誤算だ。

 とはいえ“優良助っ人”なんて、そんなにいない。調べてみたところ、21世紀に入って阪神が獲得した外国人選手の平均在籍年数は2年未満だという。もっと言うと1年以内に退団して帰国するが選手が半数以上。なぜだろう?球団に問題があるのか、スカウトの評価が間違っているのか、メディアやファンからのプレッシャーか、それとも違う原因があるのか。筆者は、外国人選手に対しての「考え方」を変えてみては…と考えている。

 まず“助っ人”という「役割」を求めないのはどうだろう。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)発表の世界ランキングでは、この7年間は日本がほぼ1位をキープ。つまり、どの国より野球が上手い。でも、外国人選手が必要ないとは思わない。野手だとパワーや長打、投手だと球速やスタミナといった日本人選手にないモノを持っているから。ただ、もっと若い選手を獲得すべきではないでしょうか。

 阪神の外国人選手の場合、平均的に29~30歳くらいで入団している。筆者は、もうちょっと若い選手を獲得することで、いろんなメリットがあると思うのです。若ければ若いほど頭が柔らかいし、言語や文化に対応する可能性が高くなる。すると日本の野球にも馴染みやすい。次に、伸び代があればスーパースターに化ける可能性も生まれる。それに、メジャーでの実績がない分、年俸も安い。仮に数年間在籍してダメだったとしても、現在のように“即戦力”で獲得する選手の給料1年分ぐらいじゃないでしょうか。

 選手側だって、もっと日本に馴染む努力をするべきだと思う。まず、シーズン最終戦翌日の帰国をやめて、基本的に日本を拠点にするべきだ。例外は11月末から年明けまで。感謝祭、クリスマス、新年という盛大なお祭りは家族や親戚に会う貴重な機会なので、その6週間ぐらいの帰国はやむを得ない。それでも、ファン感謝デー、秋季キャンプ、納会などに参加する方が、チームのみならず日本文化に馴染むのに役立つと思う。

 難しいかもしれないけれど、とにかく“助っ人”という考え方を一度変えてみませんか?そして、外国人選手も日本に馴染む努力をもっとしてほしい。初来日から20年以上が経過した“ベテラン外国人”でもある筆者の考え、やっぱり無理がありますか?

 ◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。

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