阪神・俊介が引退!1人だけの入団会見、先輩の記録止める…悔いなし虎一筋の12年間

俊足・巧打の外野手として活躍した阪神・俊介が今季限りでの現役引退を発表。入団交渉難航で単独での入団会見となったり、大先輩・金本の記録を止めてしまったり…虎一筋、全力で駆け抜けた12年間でした。

公開日:2021.9.21

2011年4月14日デイリースポーツ紙面

【2011年4月14日デイリースポーツ紙面より】
◆俊介、アンタのおかげで競り勝った!V呼んだ 三塁打ア~
 8番打者の一振りがなければ、勝負の行方は分からなかった。同点で迎えた五回。先頭俊介が篠田の真ん中直球を完ぺきにはじき返した。打球はジャンピングキャッチを試みた名手赤松のグラブをかすめ、フェンス上部を直撃。背番号7は迷いなく二塁をけり上げ、スタンディングで三塁に達した。あと1メートルでフェンスオーバーという値千金の三塁打が、マートンの適時打を誘発。俊介が決勝のホームを踏んだ。
 「しっかり振り抜けたので良かった。(対篠田は)いいイメージはなかったけど、とにかくしっかり振ろうと思って打席に入った」。篠田は昨季チームが5戦3敗と苦にした天敵だが、俊介は5打数2安打(・400)と好相性を誇った。苦手意識のない積極打法がフルスイングを呼んだ。

盗塁アウトで先輩の偉大な記録を…

順調かに見えた俊介のプロ野球選手生活。そんな時、あの出来事が起きます。

2011年4月16日デイリースポーツ1面

【2011年4月16日デイリースポーツ1面より】
◆金本えっ?止まった連続試合 八回代打も俊介ノーサイン盗塁死
 阪神・金本知憲外野手(43)の連続試合出場が、歴代2位の1766試合で止まった。八回2死一塁で代打に立ったが、一走・俊介が盗塁に失敗。打席が完了しなかった。俊介はノーサインでの盗塁。だれもが驚いたが、真弓監督は記録継続だけのために金本をその裏の守備に就かせることはしなかった。
(中略)
 歴史が動いた。金本が足かけ14年で築き上げた尊い記録があっけなく途絶えた。
 “事件”は八回2死に起こった。俊介が四球で出塁すると、真弓監督はこの日先発を外れていた金本をコール。客席から割れんばかりの歓声が注がれた。1ボールからの2球目だ。一塁走者俊介がノーサインでスタートを切った。谷繁からの送球で刺され、3アウト。その裏左翼の守備に浅井が入り、金本はベンチへ退いた。幻の打席は「出場」に数えられず、鉄人と呼ばれた男が広島時代の98年7月10日(ヤクルト戦)から継続してきた連続試合出場が1766試合でストップした。
 試合後、金本はコーヒーを飲みながら、笑ってロッカールームを出てきた。連続試合出場が途切れた―大挙押し寄せた報道陣からそう問われると、「全然!笑えたくらい」と噴き出しそうになりながら答えた。「試合前から(先発落ちを)言われていたからね。監督にも言ってたんよ。“(記録を)気にして無理に出すのはやめてください”って。ただ、あそこで盗塁はびっくりやけどな」。最後は広陵高後輩の“暴走”をイジったが、その表情には未練のかけらもなかった。

鉄人・金本の記録を止めてしまった…。勝負に徹したこととはいえ、この出来事は俊介という選手を語る上で欠かせないものとなりました。

欠かせぬ虎の戦力として活躍

その後も俊介は俊足・功好・堅守で阪神に欠かせぬ戦力として活躍していきます。

2014年8月13日デイリースポーツ1面

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