記録にも記憶にも残る虎の元助っ人・マートン、その熱すぎる軌跡

阪神で6年間プレーしたマット・マートンが現役引退することが分かりました。今後はカブスのフロント入りするとのこと。記録にも記憶にも残る活躍を見せた、阪神での熱すぎる活躍を振り返ります。

公開日:2018.1.14

 「交流戦、阪神1-6オリックス」(9日、甲子園)
 阪神のマット・マートン外野手(30)が9日、四回の緩慢な守備を問われて逆ギレし、暴言を連発した。「俺は能見さんが嫌いだから、オリックスに点をあげたんだ」。もちろん本心ではなく、打撃不振などが原因の焦燥を抑制できなかったのだろう。ただ、不問とされるには、あまりにショッキングで重すぎる失言だ。

マートン、プッツンご乱心!暴言連発「アイ ドント ライク ノウミサン」

 「レット ゼム スコア(敵に得点させてやったんだ)」
 いつもは陽気な助っ人から、耳を疑う英語が飛び出した。「前進守備をしていたが、本塁で刺そうという気はあったのか」との質問に対する答えだった。すぐに球団通訳が「冗談です」と取りなした。だが、プッツンした助っ人のいら立ちはなかなか収まらなかった。

マートン、プッツンご乱心!暴言連発「アイ ドント ライク ノウミサン」

 「ニルイ、ドウゾ(塁を2つ進ませてあげた)。アイ ドント ライク ノウミサン。ワカリマスカ?」

マートン、プッツンご乱心!暴言連発「アイ ドント ライク ノウミサン」

 マートンの取材後に、球団広報が発言の真意について「あまりにも当たり前の質問をされ、『能見を嫌い』などと、あり得ないことの例えとして言った」と代弁した。

マートン、プッツンご乱心!暴言連発「アイ ドント ライク ノウミサン」
能見G止めた!完封12球団一番乗り

 「阪神2‐0巨人」(9日、甲子園)
 忌まわしき過去に自ら終止符を打った。阪神・マートンが本拠地開幕戦でのお立ち台。インタビュアーが質問しようとすると「チョット、マッテ!」とさえぎった。そして隣にいた能見に抱きつき「ノウミサン、アイシテル~!!」。宿敵の開幕7連勝を止め、まさかの展開に聖地が大歓声に包まれた。

マートン「ノウミサン、アイシテル!」

 今季2度目の猛打賞で、能見と並んで文句なしのお立ち台。名誉挽回のチャンスを自らたぐり寄せた。

マートン「ノウミサン、アイシテル!」

 呪縛を断ち切り「きょうで終わらせたい」と言った。能見も「何となく感じてました」と受け止めた。心のかたすみに残っていた苦い記憶。もう虎の4番を縛るものは、何もない。

マートン「ノウミサン、アイシテル!」

こうして振り返ってみると、強烈なインパクトを残した助っ人だったことを改めて感じます。
バットを置き、新たな人生へと踏み出すマット・マートンに、心からのエールを!

延長10回、サヨナラ打を決めベンチから飛び出したナインと喜び合うマートン=2015年3月27日

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