阪神・森下 退場に死球…感情について注目された1年「プロ野球もタイガースも信頼あってこそ。信頼される人でありたい」【独占手記】
阪神の2リーグ制以降球団初となる連覇をけん引した森下翔太外野手(26)がデイリースポーツに独占手記を寄せた。野球に心血を注ぎ、喜怒哀楽を隠さない。その真っすぐさゆえに、時には厳しい目を向けられることもあった。自身へのいら立ち、死球への恐怖、新人から結果を残し続けてきたからこそ背負う期待という名の重圧…。キャリア最多を大幅更新する35号に到達するなど進化を続ける若き主砲が、ありのままの思いをつづった。
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連覇というタイガースの歴史的な瞬間を迎えられて、すごくホッとしています。これまでの試合の積み重ねで今があるので、決まり方は何であれ、うれしいです。タフな戦いが続いて正直キツかったですけど、少しは報われたかなと思います。
今年は感情について注目された1年でした。自分は感情をコントロールはしますけど、抑えようとはしていません。それでも、時には感情を殺して次のプレーに切り替えないといけない時はたくさんありました。
審判の方とのやりとりについては、表面上では文句を言っていると受け止められてしまっていますが、実際は人間と人間のコミュニケーション。こっちも真剣にプレーをして、審判の方も真剣に判定をして、お互いが人生を懸けてやっているので、ぶつかり合いも出てくると捉えています。審判の方をリスペクトしていますし、次の試合の時に謝ったり、「ちょっと言い過ぎました」みたいなことも言ったりもしていました。ただ、退場(※)になったのは自分の責任。チームに迷惑をかけたなと思っています。
「怖い」という感情と向き合う難しさも感じました。死球の残像で成績が落ちたことは何度もあります。投手も抑えるために内角を攻めてくると思うので、仕方ないことだとは思いますけど、怖いものは怖い。「死球が当たっても踏み込めるのが強み」だと言われてますけど、痛い思いはしたくないですし、できるなら打席を思いっきり離れたりしたいです。それでも結果を残さなきゃいけない。そのために、またオフには打ち方を改善していかないといけないと感じています。
フィールド外でも自分をコントロールできない時は何度もありました。自分を客観的には見られていて、「あ、これはしちゃいけない」と思いつつも、それを押し殺せないほど自分にムカつくというか。「あれだけオフに野球しか考えず、ずっと取り組んでいたのに、何でこんなこともできないの?」って。その姿をメディアとかに取り上げられたりすると、それにもムカついてくる。外的要因に負けている部分もあるので、未熟だなとすごく感じています。そこは毎年戦わないといけないところですし、負けないためにもオフに必死にやって、自分で納得した状態で開幕を迎えられるように準備しています。
感情的になってしまった時、誠志郎さん(坂本)とか輝さん(佐藤)とかが声をかけてくれることが何度かありました。退場になった時は両親からもLINEが来てました。無視してるんですけどね(笑)。たぶん親目線というか、「人に迷惑をかけないように」とかだと思います。
輝さんは気持ちも分かってくれているので、「周りに少なからず影響を与えてしまうから、みんながいる前ではなるべくしない方が良いんじゃないか」っていう話をしてくれます。自分と仲が悪いみたいなことも言われてますけど、全くそんなことはないです。
輝さんはすごいなと思います。メジャーに行く、行かないみたいなところで、『結果を残してないからまだ早い』みたいなことも言われてましたけど、それでも今年結果を出して実力を証明している。自分もいろんなことを言われますけど、結果で証明すれば、本当にすごいんだなと、分かってもらえると思います。
キャリアを重ねる中で、チームを背負う責任感はすごく感じています。自分と輝さん、大山さんが打ってチームが勝つことが多いですし、「結果を出して当たり前」という目線もあると思います。特に優勝争いが佳境に差し掛かった9月は、より数字として見えやすいですし、打てない時期が続いていたりすると、すごいキツかったです。「メンタルは技術」と言っていますが、どんなに技術がついたとしても、3割しか打てないのが野球で、7割は失敗する。その中で結果を残し続けるのは、想像しているよりタフなことだなというのは今年より感じた部分ですね。
プロ野球も、タイガースというチームも、周りからの信頼があってこそ。信頼される人でありたいと思っています。
(※)6月6日・楽天戦(甲子園)の五回2死一塁の打席で空振り三振。その直後、球審にストライク判定を不服として抗議し、プロ4年目で初の退場処分を受けた。
