大山サヨナラ弾で阪神マジック10 球団歴代2位タイの5本目劇弾 「チーム一丸となって」最短V29日

 「阪神3-2DeNA」(21日、甲子園球場)

 快音とともに鮮やかな放物線が描かれた。決着をつけたのは阪神・大山悠輔内野手(31)だ。同点の延長十一回1死から、左翼席へ劇的な17号アーチを運んだ。球団2位タイとなった通算5度目のサヨナラ弾は、甲子園に限ると自身1843日ぶり。8番手で登板した石井大智投手(29)が今季初勝利。2位巨人を0・5ゲーム差に離し、優勝マジックも消滅させることなく、一つ減らして「10」とした。最短で29日となる連覇へ突き進む。

 気づけば暗くなった甲子園の夜空に、きれいな放物線を描いた。劇的な幕切れ。大山が珍しく、満面の笑みで拳を高々と突き上げた。「すごく気持ちいいですし、何よりもチームが勝てたことが一番うれしいです」。歓喜のウオーターシャワーを全身で浴びる。気持ち良さそうにナインと抱き合った。

 同点で延長十一回に突入。聖地で久しぶりのデーゲームはナイターが始まる時間を過ぎていた。負ければ首位陥落で優勝マジックも消滅の危機。最低でも引き分けか。佐藤輝が三振に倒れ、そんな空気も漂っていた。1ストライクから中川虎のフォークが甘くなって向かってくる。真ん中高めの抜け球を逃さず、左翼席への17号ソロ。「ちょっと詰まってたんですけど、入ってくれと思って走ってました」。大山の思い、ナインの願い、そして虎党の祈りが白球を後押しした。

 これが球団歴代2位タイとなる、5本目のサヨナラ本塁打。新庄剛志や福留孝介の記録を超え、池田純一に並んだ。甲子園でのサヨナラ弾は21年9月4日の巨人戦以来、1843日ぶり。「いつも通り、しっかりスコアラーさんと話し合いをしながら、いい準備をして入れたので、最高の結果になって良かったと思います」。4時間20分の激闘を終え、お立ち台で万雷の拍手を受けた。

 藤川監督はこの日だけではなく、普段の姿勢から評価する。「いつも思い切りスイングを仕掛けていくことを恐れずにやっていますから。それがやっぱりこういうところで出ますね」と称賛。本人も「難しさもある」と認めながら、「最終的に勝つことが一番なので、どんな形であれ、勝つことがすごい大事なこと」と胸を張った。

 9月は7連敗もあったが、6勝9敗まで勝ち星を戻してきた。22日からは関東に場所を移し、ヤクルトとDeNAとの連戦が待っている。「本当に一試合一試合、チーム全員で戦ってますし、なかなかうまくいかないことも多いですけど、勝ちに向かってやっている」と決意表明もした。

 2位の巨人は試合がなく、0・5ゲーム差に広げた。マジックも1つ減って、ついに「10」。最短優勝は29日だ。「まずは自分たちでしっかりやるだけ。もちろん相手はありますけど、チーム一丸となって頑張りたいと思います」。この1勝は大きなターニングポイントになるかもしれない。

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