阪神・工藤 藤浪超え球団日本投手最速163キロ!スアレスに並んだ最速タイ 八回無死満塁の大ピンチから脱出

 「阪神2-1ヤクルト」(11日、甲子園球場)

 どよめきとともに、スタンドを埋めた4万2641人の視線が、バックスクリーンの球速表示へ一斉に集まった。八回から登板した阪神・工藤がみせた熱投。自らが招いたピンチを自らの剛球で鎮めた。「冷静に投げようとは思っていたけど、あんまり覚えていないです」。残した言葉が窮地の右腕の心情を物語った。

 味方の失策も絡み、先頭から瞬く間に満塁。不安の声と右腕を後押しする歓声が交錯する中、岩田を迎えた。2球で追い込み3球目、体を張って投ゴロを本塁封殺。一息ついたが、なおもピンチは続く。セデーニョへは161キロを2度記録し、5球目の変化球で空振り三振。1球投じるたびに球場は熱気を帯びていった。

 2死満塁。サンタナへの1球目に163キロをマークした。藤浪を超えて球団日本投手最速で、助っ人を含めればスアレスと並び最速の剛速球。この一報はベンチで知った。「そんな出てたんだ(笑)って」と振り返った。そして2-2から6球目に選んだのは高めの直球だ。バットに空を斬らせると、右腕は力強く吠えた。絶体絶命のピンチを脱した。

 直球へのこだわりは強いだけに「(163キロが)出たのはうれしいです。もっと磨きをかけたい」とうれしさはある。だが、球団史に名を刻んだ右腕が目指すのはもっと先。「質を高めていきたい」。それは速いだけではなく、誰も打てない真っすぐだ。

 ◆NPB最速は… NPB最速は巨人・ビエイラが2021年に計測した166キロ。次いで日本ハム・大谷翔平(16年)、ロッテ・佐々木朗希(23年)らがマークした165キロ。

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