阪神・下村 デビュー戦初星ならずも堂々力投 5回6安打2失点「取り組んできたことが出せた」
「阪神2-3中日」(2日、甲子園球場)
プロ3年目の阪神・下村海翔投手(24)がついに1軍でプロの足跡を刻んだ。初登板初先発で、五回に同点に追い付かれたが、5回を2失点に抑えて堂々のデビューを果たした。初回には森下翔太外野手(25)が左中間へ先制ソロを放ち、セ・リーグ最速20号に到達。首位から陥落したが、ドラフト1位コンビが未来を照らす。
聖地に初めて「下村」の名前がコールされると、期待の大きさを物語る大歓声が響いた。デビュー戦は5回6安打2失点。聖地の大観衆の前で上々のスタートを切った。
「緊張で力みもあった中、取り組んでいたことが出せた。打たれたとしても勉強だと思っていました」
勝利投手の権利が懸かった2-0の五回。3連打で1点を返され、なおも1死一、二塁で岡林に右翼線へ同点の適時二塁打を許した。
その後、1死満塁で村松と対峙(たいじ)。1点もやれない場面でカウント3-0となった。ここからが下村の強さだ。瞬く間に2ストライクを奪うと、聖地は右腕を後押しする拍手と歓声に包まれる。注目を一身に浴びながら、6球目のカットボールで空を切らせた。細川も右飛に抑え、同点で踏ん張った。
序盤は期待通りの投球。初回を三者凡退、三回は2死一、二塁のピンチで福永を投ゴロ。四回1死は細川と12球もの粘り合いの末に、プロ初奪三振をマークした。
甲子園のお膝元、西宮市で生まれ育った。2023年度ドラフト1位で青学大から24年に入団。同年4月にはトミー・ジョン手術を受け、長いリハビリ生活がスタート。入団から2年間は登板はない。それでも3年目で初マウンドをつかんだ。
忘れられない出来事がある。昨年12月、ともにリハビリに励んでいた高橋から食事に誘われた。会話の内容は野球のことや私生活までさまざま。だが、楽しいひとときの中で注意を受けた。
「もう少し、メリハリをつけたらどう?」
指摘されたのはウエートトレの合間の時間の取り方。少し長めに、自由に過ごしていたが、指摘を受けてからは、タイムを計って管理するようにした。「遥人さんが怒ってくれるのはすごく珍しいのでうれしかった。次の日、意味が分からないくらい謝られましたけど」と回想。「あれからトレーニングの質が上がった。感謝しかない。言葉では伝えきれない」。先輩の心根に触れた気がした。あの日の記憶が心に深く刻まれている。
プロ初白星は届かなかったが、両親が見守る前で堂々の力投を見せた。「この舞台で投げることを待ってくれていた。勝つことはできなかったけど、投げてる姿を見せられて良かった」。次は勝利で恩返しを果たす。
野球スコア速報
