阪神・嶋村 球団初の育成出身代打プロ初本塁打 和田ヘッドからの金言「浮くのを我慢」でプロ7打席目

 「ヤクルト0-10阪神」(12日、神宮球場)

 黄色く染まった左翼スタンドが大きく揺れた。阪神・嶋村麟士朗捕手は二塁を回ったところで力強く虎党の待つスタンドを指さした。「応援してくれるファンの皆さんの声援に一番背中を押されているので、そういう意味でやりました」。まさに感謝の一発だ。

 「追い込まれてからの打席だったので、逆にその割り切りが良かったかもしれないですね」

 2点リードで迎えた七回2死一塁。代打で打席に入った。2球目には高めチェンジアップをフルスイング。空振りとなり、渋い顔を見せたが、その表情は4球目に歓喜へと変わる。外角の直球をしっかり捉えた。思い切りの良さを失わないことを意識してきた。ついに花開いた。流し打った打球は左翼スタンドへ着弾。待望のプロ1号2ランで膠着(こうちゃく)状態だった球場の空気を一変させた。

 和田ヘッドコーチからの金言が指針となっている。同コーチが1、2軍打撃巡回コーディネーターだった昨年、打撃について助言を受けていた。

 「高めを打つときに体が浮いちゃう。それをなくすために体は下から入っていくイメージと」

 高めへ照準を合わせる際に体が浮いてゴロアウトが増える悪癖を抱えていた。「浮くのを我慢して、踏み込んで回ったらきれいにいく」。プロ7打席目だが、いまだにゴロアウトは一つもない。

 助言はさらに続いた。「僕はいつも直球を待つ。『直球でも外とか高め、低めもある。対応するために打ち方を変えていくのもありだよ』と」。目からウロコだった。この日は外角の直球を狙い澄ました。

 阪神の育成出身打者で代打でプロ初本塁打を放ったのは史上初。育成出身のアーチは小野寺以来となった。4月に初安打。今月は初打点、初適時打に初本塁打とプロの階段を順調に駆け上がっている。「(記念球は)家族に贈ります」。実家に飾られるボールがまた増えた。「やることを続けていくだけなので。明日また良い結果を出せれば」。若虎は自らのバットで次のドラマを描いていく。

 ◆阪神育成ドラフト出身者初の代打プロ初本塁打 阪神育成ドラフト出身野手の本塁打は小野寺に続いて嶋村が2人目。小野寺のプロ初本塁打は先発出場した2021年9月30日・広島戦だった。育成ドラフトから支配下となった阪神野手は野原祐也(08年①)、田上健一(09年②)、片山雄哉(18年①)、小野寺暖(19年①)、野口恭佑(22年①)、福島圭音(23年②)と嶋村(24年②)。嶋村と小野寺を除く5人は1軍での本塁打はない。

()内はドラフト年度と育成指名順位。

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