阪神・茨木の覚悟 父・幸雄さんが感じた「今年は何とか」という思い
「阪神2(降雨コールド)0ヤクルト」(9日、甲子園球場)
高卒4年目の阪神・茨木秀俊投手がプロ初先発初勝利を挙げた。6回5安打無失点と堂々とした好投を、見守った父が「今年は何とか」と孝行息子の覚悟を明かした。
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広がった銀世界の上で黙々と汗を流していた。茨木は昨年末から年始にかけて、故郷・札幌に帰省。父・幸雄さん(56)は「自宅前でシャドーピッチングをしたり、2キロほど離れた所にあるジムに歩いて行っていました」と明かす。腰をケガしたことも踏まえ、腹筋強化やストレッチに注力。「親の前では口数の少ない子。口には出さなかったけど『今年は何とか』という思いがあったんじゃないかな」と今季への覚悟を感じ取った。
小学低学年で水泳を始め、4年生から2年間はスキースクールにも通った。ただ、大好きだったのは野球。札幌ドームに通い、日本ハムのダルビッシュ有や大谷翔平に熱視線を送った。
1軍デビューは昨年9月21日・ヤクルト戦(神宮)。六回から登板して1イニング目を無失点。七回表終了後に雨が強まって38分間の中断を挟んだが、七回も得点は与えなかった。
タフなコンディションを強いられたが、同戦後に右腕は家族に「楽しかった」と率直な思いをメールで伝えた。高校時代に、甲子園出場経験はない。幸雄さんは「多くの観衆の前で投げられましたから、それが甲子園の1軍マウンドで投げたいいうモチベーションになったのでは」と心境を推察した。
昨年の正月には、うれしい出来事もあった。「何か欲しいものはない?と言われて、ゴルフのパターをプレゼントしてもらいました」と少し照れくさそうに笑った。
この日は仕事を早めに切り上げ、自宅観戦。食事をテレビの前にセッティングして勇姿を見守った。「決しておごることなく、どんな時も謙虚な人間であってほしい」と幸雄さん。寡黙で優しい男はプロ初勝利という形でまた一つ、特別なプレゼントを家族に届けた。(デイリースポーツ阪神担当・向 亮祐)
