阪神・茨木 プロ1勝「本当にうれしい」高卒4年目、初先発6回零封 表情変えず六回2死満塁K斬り

 「阪神2(降雨コールド)0ヤクルト」(9日、甲子園球場)

 降りしきる雨の中、クールに燃えて記念の白星をつかみ取った。プロ初先発となった阪神・茨木秀俊投手(21)が、6回5安打5奪三振無失点でプロ初勝利。抜てきに応えた96球でチームの開幕からの4カード連続勝ち越しを導き、高卒4年目の春に鮮やかな花を咲かせてみせた。

 雨中の聖地で躍動した。最後の打者に空を斬らせると、ポーカーフェースの男は小さくほほえんだ。茨木は6回5安打無失点の好投。プロ初先発で初勝利を挙げた。

 「本当にうれしい。先頭を出すイニングも多かったですし、表情に出ていないだけで内心焦りはありました」

 打たせて取る茨木らしい投球だった。五回まで被安打は3と相手打線に的を絞らせなかったが、六回にヤマ場が待っていた。2死一塁からの安打と四球で満塁を招いた。ここで代打・宮本を打席に迎えた。チェンジアップ3球で追い込むと、4球目も同球種を続けた。「しっかり腕を振って高さは間違えないように」。鋭く打者の手前で落ちる魔球で空振り三振。度胸のある投球でピンチを脱した。

 3年目の昨年は宜野座キャンプに選出も中学時代にも苦しんだ腰痛が再発。キャンプを途中離脱したが、腐らなかった。「去年前半はなにもできなくて、なにをやってるんだって感じ。でもその時期に多くのことができた。良い期間でした」。過酷なリハビリも最後までやりきった。

 “やりきる男”の原点は高校時代だ。帝京長岡高の恩師である芝草宇宙監督が回想するのはエースとして臨んだ3年の春。新潟明訓高に4-14で大敗した。「その後、『本当に厳しい投げ込みやるぞ』って言った。僕からどれだけ厳しいことを言われても食らいついて涙を浮かべながら練習していた。そういうときに絶対投げ出さない男。感動しました。あいつを象徴するシーンでした」。一週間で計1000球にも及ぶ過酷な投げ込みを敢行。ポーカーフェースが特徴の男が初めて顔をゆがませた瞬間だった。

 だからこそ、師は言う。「リハビリがしっかりできるかで復帰後の結果が大きく変わる。性格上絶対にそういうのを一生懸命やるだろうなと。心配はなかった」。全体練習後も1人で残って自主練習をする姿が印象的だったという。「新潟で2軍戦やるときは同級生も学校関係者もみんな見に行きたいって言う。そういうやつなんです」。ひたむきにがむしゃらに白球を追いかける姿は見るものの心を打った。

 初先発で勝利の立役者となった21歳。18年ぶりの4カード連続勝ち越しにも貢献した。高校の時には届かなかった聖地のマウンド。「高校の時に行けなかった思いもありましたし、プロになってなかなか勝利をつかめてなかったので本当に良かった」。たゆまぬ努力の先に待っていた“星”をつかみ取った。(河西俊輔)

 ◆阪神道産子投手が2年連続でプロ初先発初勝利 プロ初勝利を飾った茨木は北海道札幌市出身。同じ北海道で江別市出身の早川は新人だった昨年にプロ2試合目でプロ初先発した8月27日・DeNA戦(横浜)で初勝利をマークしている。

 ◆阪神高卒投手の初先発初勝利 茨木はプロ通算3試合目、プロ初先発でプロ初勝利。球団高卒投手がプロ初先発で初勝利を飾ったのは、西純矢が高卒2年目だった2021年5月19日・ヤクルト戦(甲子園)で記録して以来。西純はこの日の試合がプロ初登板だった。

 ◆茨木 秀俊(いばらぎ・ひでとし)2004年6月8日生まれ、21歳。北海道出身。183センチ、87キロ。右投げ右打ち。帝京長岡から22年度ドラフト4位で阪神入り。昨季9月21日・ヤクルト戦(神宮)に救援でプロ初登板。今季2軍公式戦は2試合で勝敗なし、防御率0・96。実弟はロッテ・茨木佑太。

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