阪神に根付くトミー・ジョン手術の法則→飛躍のトリガーに 新助っ人のモレッタは来季に符合 過去にはスアレスらが大躍進
阪神は19日、ダウリ・モレッタ投手(29)=前パイレーツ=と来季の選手契約を締結したと発表した。単年契約で年俸100万ドル(約1億5600万円)。背番号は99に決まった。球団史上初の連覇へ大きなブルペン補強となったが、期待を抱かせるある法則がある。
それはトミー・ジョン手術の法則。モレッタは2023年にリリーバーとしてメジャーでフル回転。53試合に登板してイニング数以上の奪三振をマークした。独特の軌道を描くスライダーはメジャーの打者でも対応が難しかったことを証明した。
その一方、右肘を痛め翌24年3月にトミー・ジョン手術を受けた。その年は全休となり、今年、メジャー復帰を果たした右腕。18試合に登板して1勝1敗、防御率3・24、奪三振率は驚異の10・26をマークした。ドミニカウインターリーグでも力強いストレートを投じる映像も残る。
来季がトミー・ジョン手術から3年目のシーズン。これは投手を見極める上で重要なポイントになる。かつてソフトバンクからスアレスを獲得した際、当時編成部門の責任者だった谷本球団本部長は「手術をやって3年目になるんですかね。だいぶ回復していると思います。あの手術をした方が筋力が強くなるって言いますから」とトミー・手術が獲得の要因の一つだったことを説明していた。
「3年目ぐらいから、かつて以上のものが出てくる感じがある。他の選手を見ていてもそんな感じはあるので」。その目論見通りスアレスは覚醒。2年連続のセーブ王を獲得し、パドレスと高額契約を結んでメジャーへ。MLBの実績がない右腕に破格の契約が提示され、今オフにはブレーブスと3年総額70億円の契約を結んだ。
トミー・ジョン手術は右肘の靱帯を移植する手術。実戦復帰まで1年以上を擁するだけでなく、移植した靱帯がしっかりと馴染むまでに時間が必要と言われる。本来の感覚を取り戻す、以前よりも出力が上がるタイミングとされるのが3年目。才木も2020年11月に同手術を受け、3年目となる2023年に飛躍を遂げてリーグ制覇に貢献した。
今オフはブルペンの補強がテーマの一つだった中、メジャーで奪三振率10点台を超える右腕の獲得に成功した阪神。ドリスの残留も同日に発表された中、着々と連覇への補強が進んでいる。
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