阪神・湯浅 日本S活躍で楽天・鈴木翔に勇気を 自身も発症「黄色靱帯骨化症」と闘う左腕へ「助け合いながらやれれば」

 「黄色靱帯骨化症」を発症した楽天・鈴木翔
 難病を乗り越え、マウンドに立つ湯浅
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 阪神の湯浅京己投手(26)が、国指定の難病「黄色靱帯(じんたい)骨化症」と闘う楽天の鈴木翔天投手(29)のためにも活躍することを誓った。自身も24年に発症したが、中日の福やDeNAの三嶋ら、同じ病気を乗り越えた先輩たちが復帰への支えになった。鈴木翔が病気を公表してからは連絡も取り合い、サポートを約束。次は自分が希望の光になる。

 また一つ、腕を振り続ける理由ができた。湯浅は鈴木翔を鼓舞するように言った。「今度は自分がそういう存在になりたい」。“そういう存在”とは湯浅にとって、DeNAの三嶋や中日の福のこと。病を乗り越えるために、何度も力をもらった存在だ。

 10月7日、鈴木翔の病気が公表された。知人を通じて、連絡先をもらい「助けられることがあれば何でもさせてください」と伝えた。同じ病気とはいえ、症状は人それぞれ違う。「自分がやったこと、試していること、良かったこと、どんどん伝えられればなと思います」。背中を押すという選択肢しかなかった。

 自分の経験を伝えることだけでなく、野球をしている姿が励みになることは一番知っている。同じ病から復帰し、投げる姿を見ていなければ、今の自分はいなかったかもしれない。

 「本当にあの人たちのおかげで、自分は手術もすぐ決断できました。1軍で投げている姿を見ていたら、自分も絶対大丈夫と思わせてもらった」

 次は湯浅が勇気を与える番。例に挙げたのはトミー・ジョン手術だ。病気とケガという違いがあることをわかった上で、今やトミー・ジョンをすれば良くなるというイメージがある。「手術しても完全に治ったというわけではないので、難しいんですけど。自分たちが活躍すれば、なっても大丈夫と思える」。だからこそ、マウンドに立ち続けたい。

 そういう意味でも日本シリーズは最高の舞台になる。全国の野球ファンが注目する、NPBの頂上決戦。2年前の第4戦は同点の八回2死一、三塁で中川をたった1球で二飛。139日ぶりの1軍登板は“湯浅の1球”として名場面となった。

 CSファイナルSでは第2戦に1回2/3を2安打無失点。日本シリーズでも強力なブルペン陣の一角として、フル回転が期待される。「(病気をしても)プラスなイメージをつけられるように頑張りたい」という思いを実現するために、また日本シリーズで活躍したい。

 鈴木翔だけでなく、ソフトバンクの浜口ら、同じ病気と闘うプロ野球選手は多い。「本当に助け合いながらやれればなと思っている」。湯浅がつながれたバトンを走り届ける。

 ◇鈴木 翔天(すずき・そら)1996年8月19日生まれ、29歳。神奈川県出身。185センチ、82キロ。左投げ左打ち。投手。向上、富士大を経て18年度ドラフト8位で楽天入団。プロ初出場は20年9月15日・オリックス戦でリリーフ。23年には自己最多61試合に登板。24年はキャリアハイの24ホールド。25年は46試合で2勝4敗5セーブ、19ホールドで防御率2.36。10月に球団から内視鏡胸椎黄色靱帯骨化切除術を受けたと発表された。

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