阪神・熊谷V撃でマジック19 出れば活躍!伏兵ド執念「必死に食らいついて」 最後は一塁守備「すんなり」
「ヤクルト1-3阪神」(22日、神宮球場)
今年の虎は勝負強いで!!阪神の熊谷敬宥内野手(29)が延長十回に決勝の2点適時打。打線は再三のチャンスを逃しながらも、投手陣の奮投に応えて接戦を制した。これで長期ロードは11勝6敗。5試合を残して勝率5割以上が確定した。巨人が勝ったため、優勝へのマジックは1つ減って「19」。勢いはとどまるところを知らない。
思いの乗った打球は遊撃のグラブをはじいた。執念の一打。熊谷が一塁上で右拳を振りかざし、大盛り上がりの三塁ベンチにポーズで応える。「何とかバットに当てたかった。必死に食らいついていくだけだなと思っていたので良かった」。それほど表情は変わらなかったが、内に秘める闘志を感じさせた。
1-1の延長十回。1死満塁の絶好機だった。2球連続で見逃し、あっさりと2ストライク。ただ、消極的な追い込まれ方ではなかった。「いいところに来てたんで」。打席内で冷静さを保ち、ファウルでカウントを整えていく。最後も決して簡単な球ではなかった。左手一本で二遊間に運んで、決勝の勝ち越し2点適時打。3時間55分の激戦のヒーローになった。
3試合連続で、すでに19度目の先発出場。振り返れば、今年は春季キャンプで下肢を負傷し、開幕は出遅れることになった。焦りがなかったと言えば、うそになるだろう。その期間も家でチームの試合をチェックした。ただ、五回を過ぎると自然にチャンネルを回してしまう。
スーパーサブならではの理由があった。「もしかしたら、ここで俺が出るのにと思ってしまうから。悔しくて見ることができなかった」。ここぞの代走や守備固めに他の選手が起用される。気づけば、他球団の試合が画面に映っていた。
あれから数カ月。今は試合開始からゲームを見ることができる。サブという言葉も似合わなくなった。スタメン出場が続き、充実感と比例した疲労感はある。それでも試合後の食事では自身の映像を確認し、反省することも多々。ベンチスタートであっても、あえて栄枝の横に座り、捕手目線での配球に耳を傾ける。うまくなりたい、貢献したい、根っからの野球小僧が8年目で定位置をつかもうとしている。
チームはヤクルト戦の通算1000勝。同戦は3年連続での勝ち越しも決まった。今季の長期ロードは11勝6敗となり、残り5試合を残して勝率5割以上が決定。今季最多タイの貯金26で優勝マジックも19になった。
最後は久しぶりに一塁を守り、ウイニングボールをつかんだ。「遊撃で出てたので、すんなりできました」。先発出場は途中出場よりも、緊張がほぐれる。神宮名物の帰路では何度も熊谷コールを浴びた。「この歓声が僕のヒットにもつながったと思う」。努力は報われるということを、小さな体で証明している。
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