阪神・森下 キャリアハイV弾17号 長嶋さん追悼試合で「すごく良かった」
「巨人0-3阪神」(16日、東京ドーム)
打った瞬間、悲鳴と大歓声が上がった。虎党の声援に吸い込まれるように打球は左翼席上段へ。阪神・森下が自己最多を更新する今季17号。開始早々、チームに勇気を与えた先制弾はそのまま決勝の一撃となった。
「久しぶりにまず1本出た。自分のタイ記録でずっと止まっていたので、とりあえずは出せたっていうのは良かった」
初回から主役をかっさらった。1死二塁。「頌樹さんのためにも先制点が欲しかった」と強い思いで打席に向かった。「変化球がすんなり来るとも思っていないので、自分の中で冷静になりながら」。頭を整理して見極めた4球目だ。スライダーを完璧に捉えて特大の2ラン。バットを放り投げ、ゆっくりとダイヤモンドを一周して余韻にひたった。
7月15日の中日戦(甲子園)以来、22試合、92打席ぶりとなった一発。予兆はあった。15日・巨人戦の試合前練習では右に左に打ち分けて柵越え5連発を披露し、スタンドをどよめかせた。試合では七回に右中間にはじき返して、今季4本目の三塁打をマーク。長打は自身38打席ぶりで上昇気配を漂わせていた。
「自分の中でもしっかり準備をして入った」という1打席目でいきなり結果を残し、復調を印象付けたが、まだまだ満足はしていない。「ぼちぼちって感じですね。1打席目以降も打てる球もあったので、それを捉えられるようにしたい」。2打席目は四球を選んだが、残りの2打席は三ゴロに倒れたことを反省した。
「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催された一戦。「今、自分たちが野球をできているのも、伝統の一戦も。長嶋さんだったり、先人の人たちのおかげだと思う」。特別な日に感謝の思いを抱きつつ、「そういう日に打てたところもすごく良かった」とうなずいた。
昨季に16号を放ったのは9月13日。1カ月も早く自己記録を更新した。頼もしい背番号1がバットでチームをけん引する。
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