“真夏の黒虎”仕掛け人が込めた思い 事業本部営業部・西垣宏祐氏 球団創設90周年節目に「100周年へ新たなことを」
裏方の仕事にスポットを当てる企画「密着仕事人」。阪神は球団創設90周年を記念した「TIGERS B-LUCK DYNAMITE SERIES2025」(タイガースブラック ダイナマイトシリーズ)を、今月の京セラドーム主催試合で開催する。「黒」をコンセプトにした新イベントの仕掛け人である事業本部営業部・西垣宏祐氏(32)が、“真夏の黒虎”に込めた思いを明かした。
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スタンドが黄色一色に染まる7月の甲子園は、ファンにとっておなじみの光景だ。2013年にスタートした「ウル虎の夏」は、年間最大イベントとして位置づけられている。球団創設90周年の節目となった今年からは、イエローに次ぐチームカラーである、ブラックにスポットを当てた新イベントが始まる。
企画を立ち上げた西垣氏は、「100周年へ向けて新たなことをやりたい、というところから始まりました。過去の伝統の部分を大事にしながら、新しい部分も融合させたイベントとして提案しました」と誕生のきっかけを明かす。対象は8~10日のヤクルト戦、19、20日の中日戦。長期遠征中に京セラドームで戦う主催試合だ。
猛虎は1935年に大阪野球倶楽部(大阪タイガース)として創設。黒に加えて、夏真っ盛りの大阪で戦うことも大きなポイントだという。
「90年の歴史で言うと、大阪タイガースがあった中でダイナマイト打線を意識して。ドームで涼しい屋内なので黒いユニホームを着ても大丈夫、ということもありますし。毎年8月はロードに出ていてホーム試合が少ないですが、優勝に向けた盛り上がりとしては非常に大事な時期ですし、イベント開催させたくて」
球団初となる京セラ限定イベント。大阪が本拠地のオリックスへの配慮も忘れることなく、計画を進めてきた。来年以降の恒例化を前提としており、黒が基調のユニホームデザインも毎年変更する方針だ。記念すべき初回のユニホームは「黒×ゴールド」がテーマ。胸にローマ字の「OSAKA」、袖には漢字の「阪神」の文字が入る。
「表面だけ見るとなかなかタイガース感が薄いので、漢字で『阪神』と入れることで存在感は出てるかなと思います。シンプルではあるんですけど、クールな感じに仕上がりました」。スポンサー「Joshin」のロゴも従来は青色だが、「お願いして、金色に変えていただいて。統一感がすごく出ました」と細部にまでこだわり抜いた。
来年以降、「ウル虎」に続いて夏の恒例化を狙う「ブラックタイガース」。将来的なビジョンを、「黒、大阪、8月。この三つの軸はぶらさずに、やっていきたいと思ってます。ユニホームは黒ベースを変えずに、デザインを変えていって。黒にもいろんな色味がありますので」と描く。
「今後も7月にウル虎を、8月にこのイベントをして、9月へ、という盛り上げのパターンを作っていけたら。タイトルは通常の黒のつづりでなくて、LUCKとかけてますし、幸運を引き寄せて勝利につながるイベントにできたらいいなと思います」。理想として掲げる、夏から秋にかけての“Vロード”の形。記念すべき黒虎初年から、その実現を狙う。
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