「阪神２－０ＤｅＮＡ」（２６日、甲子園球場）

　阪神は“開幕投手”の才木浩人投手（２６）が今季２度目の完封を無四球で飾って８勝目を挙げた。チームの無失点勝利は２１度目。２２完封を記録した１９７０年以来５５年ぶりの快挙となった。後半戦開幕を快勝し、貯金を今季最多タイの１９とした。

　　◇　　◇

　才木は後輩選手の良き見本になっている。自身が登板しない遠征時、ファーム施設で２軍選手たちとともに汗を流す。ルーキーの今朝丸とブルペンで並んで投球練習を行ったある日、終了後に話し込む２人の姿があった。

　今朝丸は初めて自分から話しかけたという。「才木さんとはタイプ的にも似ていると思って見ていた。自分にとってものにできると思った」と、投球フォームの並進運動について質問をぶつけた。「体の使い方も教えてもらいました」と、憧れの先輩からの助言をうれしそうに振り返った。

　才木は「僕も結構いろんな人に話を聞いたりして、それが今でも（心に）残ってるので」と自らの新人時代を回顧。「答えられることなら教えたい。若い選手の底上げは絶対に必要。今後の野球人生に生かしてくれたらうれしいですね」と優しい兄のような目つきで話した。（デイリースポーツ阪神担当・滋野航太）