【藤田平氏の眼】阪神・村上が披露した印象と違う投球術 「広島打線も虚を突かれたのでは」
「広島2-5阪神」(30日、マツダスタジアム)
阪神・村上頌樹投手(26)が7回を3安打7奪三振1失点と踏ん張り、開幕戦を含めて今季4度目となった広島・森下との投げ合いを制した。チームを今季最多タイの貯金8に導いた右腕について、デイリースポーツ評論家・藤田平氏(77)は「変化球の比率を高めた配球が効いていた」と分析した。
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これまでの印象と違う投球が光っていた。ストレートの印象が強い先発・村上は、この日の直球のスピードや質が本来のものではないため、変化球の比率を高めた配球が効いていた。
広島打線も虚を突かれたのではないか。具体的には1番・秋山との対戦。初回の第1打席は初球から変化球を3球続けた。これで変化球のイメージを植え付けて迎えた三回の第2打席は、一転して初球から直球を2球続けて左飛。さらに六回は変化球を4球続けた後、最後は直球で左飛に打ち取った。先頭打者本塁打を許した16日は初球をスライダーで入った後、直球を2球続けて打たれている。同じ轍(てつ)は踏まないという村上の意志を感じたマウンドでもあった。
これは変化球でもカウントを稼げるコントロールがあるからこそ。もちろん、ここまでの活躍は持ち味である直球の精度の高さがあるためだ。
ただ、相手からの直球マークを察したことや、この日の直球の状態を加味しての変化球を意識させる相手への攻め方は効果的だった。
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