阪神OB狩野氏がプロ初勝利のドラ1・伊原に「藤川監督の現役時代のような投球術」 佐藤輝の先制弾は「他球団にも影響する」

 力投する先発の伊原(撮影・中田匡峻)
 1回、プロ初先発のマウンドで1球目を投じる伊原
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 「阪神8-1広島」(20日、甲子園球場)

 阪神OBでデイリースポーツ評論家の狩野恵輔氏が試合をチェック。プロ初勝利を挙げたドラフト1位・伊原(NTT西日本)の投球や、2本塁打を含む4安打6打点の佐藤輝のバッティングを振り返った。

  ◇  ◇   

 伊原はプロで何年も経験を積んだ投手のような投球内容だった。立ち上がりから打たれない程度の140キロ前半の直球や変化球でストライクを取って、決める時は140キロ後半の直球を際どいコースに投げ込む場面が目立ったように、強弱の付け方がうまい。

 藤川監督も現役時代は1、2球目に少し球速を落とした直球を投げて、打者には「バットに当たるな」と思わせて、決め球は力を入れてギリギリのコースへ投げて打ち取っていた。伊原はすでに、そういう投球術を持っている。

 走者がいない時もセットポジションから始動し、二段モーションのようなフォームで打者のタイミングを外していた。ただ走者を背負うと、打者はタイミングが合わせやすいかもしれないと感じていた。

 それでもテンポを変えたりして的を絞らせなかった。三回1死一、三塁は、粘る二俣を10球目の低めのスライダーで空振り三振。バットに当てられても大きなダメージにならないコースへ投げ切れる技術とメンタルは素晴らしい。今後が楽しみなる投球だった。

 佐藤輝は初回に放った先制の6号2ランで広島バッテリーに大きなダメージを与えた。

 初回2死二塁。森と石原の広島バッテリーは、高めが弱点と言われる佐藤輝に対して、初球は高めへの142キロ直球を投じて見逃しでストライクを取った。2球目もつり球気味で高めの直球を選択したが、佐藤輝はこれを完璧に仕留めて、中堅左へ先制の6号2ランを運んだ。

 広島バッテリーは佐藤輝の弱点だと思っていた高めの直球を打たれたことで、2打席目以降は同じ球を投げづらくなった。こうなると、投球の基本である「外角低めに投げてゴロを打たせる」という配球に戻ることになる。

 だが、佐藤輝はもともと低めには強いバッター。今は状態が良いこともあるのだろうが、2打席目以降は低めの球をうまく打ち返した。

 三回2死二塁は低めのカットボールを完璧に捉えて鋭いライナーを打ち返し、右翼・末包のグラブをはじく適時二塁打とした。五回1死二、三塁で鈴木から放った7号3ランも低めの直球をすくい上げたもの。八回無死の右前打も岡本の内角低めを右前に打ち返した。

 佐藤輝が初回に高めの直球を本塁打にしたことは、他球団にも影響すると思う。各スコアラーは「佐藤輝に対しては高めも注意してください」という報告をするはずなので、今後は攻め方を変えてくる可能性がある。そこに対応できれば、さらに数字を伸ばせるはずだ。

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