阪神 新外国人ネルソン“魔球”ナックル披露 揺れる!落ちる!曲がる!坂本驚がく「ヤバい」
「阪神春季キャンプ」(1日、宜野座)
プロ野球は1日、12球団が沖縄、宮崎の両県でキャンプインした。阪神の新外国人選手、ニック・ネルソン投手(29)=前フィリーズ=は外国人では異例の初日からブルペン入りし、不規則に変化するナックルボールを披露。捕手を務めた坂本が目を見開いて「ヤバい」と驚く軌道だった。球界でも珍しい“魔球”を武器に、層の厚い救援陣に割って入る。
わずか2球でもインパクトは十分だった。縫い目が見える白球は揺れながら落ちたり、曲がったり…。ネルソンが変化が読めないナックルを投じると、何とかミットに納めた坂本は目を丸くした。
最速158キロの力強い直球とは正反対のクセ球。助っ人右腕は「(米国と日本の)ボールに関してはすごく違うよ。滑りにくいのと少し小さく感じる」と違いを口にしたが、武器の威力は抜群だった。
23年にゴールデン・グラブ賞を獲得した名手が1球目の時点で「ヤバいなと思いましたね」と苦笑い。相手打者にとって厄介であることはもちろん、「キャッチャーも危ないぐらい、結構揺れている」とヒヤリとしたという。
「2球ともそれなりのとこには来ていた」とうなずき、「(球の軌道が)分からないのが一番強いから捕手次第。捕れる、もしくは(体に)当てて前に落とせたらかなり武器になる」。捕手が対応することができれば、大きな武器になる可能性を感じ取った。
日本での活躍に向けて意欲も感じさせる初ブルペンだった。「ちょっと時間が空いたので、しっかりマウンドの感触とフォーム確認のために」。米国よりもキャンプインが早い日本に合わせて例年より1、2週間ほど早めに調整してきた成果を見せた。スライダーやチェンジアップなどを交ぜながら23球。現状は「75%」としながらも納得した様子を見せた。
藤川監督はネルソンを中継ぎで起用することを明言している。救援は8人とした場合、現時点で抑えは岩崎。勝ちパターンにはゲラ、石井、桐敷と実績のある投手が名を連ねる。新助っ人は残る4枠に入るため、新加入の畠や岡留、島本らとの競争を勝ち抜かなければならない。
ベールを脱いだブルペンで“魔球”で存在を印象付けて、キャンプ初日は順調な滑り出しとなった。「すごく楽しかったよ。練習もうまくいって、チームメートとも話すことができて、ブルペンもうまくいったよ」。球界でも珍しい武器を生かし、来日1年目からV奪回使者となる。
◇ニック・ネルソン(Nick Nelson)1995年12月5日生まれ、29歳。米国出身。185センチ、92キロ。右投げ右打ち。投手。ラザーフォード高、ガルフコースト州立大を経て16年のMLBドラフト4巡目でヤンキースと契約。20年8月1日のレッドソックス戦でメジャーデビュー。21年オフにフィリーズへ移籍。メジャー通算74試合5勝4敗1セーブ4ホールド、防御率5.20。マイナーでは通算164試合登板で109試合に先発している。
関連ニュース




