阪神・掛布OB会長 “無音試合”提案 打球音、投球音に耳を傾け「すごいいい野球が見られるんじゃないかと」

 阪神の掛布雅之OB会長(69)が21日、大阪市内で行われた「甲子園歴史館運営会議」の理事会・定例報告会に粟井球団社長らと出席。今年迎える球団創設90周年を盛り上げるイベントとして“無音試合”の仰天プランを提案した。

 思い浮かべたのは、鳴り物応援も声援もやめ、野球の音だけが甲子園に響き渡る光景だ。前例があった。「長嶋さんが監督の時に、東京ドームで『球音を楽しむ日』ってあったんですよ」。2000年6月14日の巨人-横浜(東京ドーム)では実際に“無音試合”が開催されたことがあった。

 コロナ禍では無観客試合となり、「打球音とかが甲子園球場に響いたじゃないですか」と掛布OB会長。「4万数千人が入る甲子園球場で、打球音が聞こえるような雰囲気の中で野球やったこと、今の選手ってないと思うんだよなあ。それをファンの方たちが演出したら、すごいいい野球が見られるんじゃないかなと。オールドファンも喜ぶんじゃないかな」と説明した。

 野球観戦となれば、応援がメインとなり、プロ野球選手の打球音、投球音にじっくり耳を傾ける機会はなかなかない。「佐藤(輝)が打ったホームランとかさ、もしも出ればだよ。子供たちもさ、『こんな音がするの』って思うと思うんだよね。選手が音をファンに聞かせてあげるゲームがあってもいいんじゃないですか」と期待を込めた。

 提案を受け、粟井球団社長も「そのアイデアを生かして形にはしてみたいなと。今年間に合わなくても、来年でもいいじゃないですか」と前向きな姿勢を示した。甲子園でひと味違った野球観戦を楽しめる日が来るかもしれない。

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