阪神・村上 完投星チーム1番乗り!3連勝導いた112球 今季最多貯金「6」

 「広島1-7阪神」(30日、マツダスタジアム)

 頼れる右腕が逆転での3連勝を呼び込んだ。阪神・村上頌樹投手(25)が先頭打者アーチを浴びながら尻上がりに状態を上げて7安打6奪三振1失点、今季チーム初の9回完投勝利を挙げた。これで3、4月は15勝9敗3分け、昨季を上回る今季最多の貯金6で終えた。2位・巨人とは2・5ゲーム差。昨季の覇者に首位独走の気配が漂い始めた。

 27個目のアウトを奪うと、白い歯をこぼしながら勝利のハイタッチに加わった。強烈な先制パンチを食らいながらも、村上が尻上がりに調子を上げて、23年4月22日・中日戦以来となる自身プロ2度目、今季チーム初の9回完投星。「長いイニング投げたいと思ってたので、9回投げ切れたのは良かったかなと思います」と先発投手の責務を全うして、今季2勝目をつかんだ。

 野球人生で「多分ないと思います」という先頭打者初球被弾で、先制点を献上。それでも下を向くことなく、「ここからまた振り出しと思ってたので、何も影響はなかったです」と気持ちをきっちり切り替えた。「初回に点を取られたので、テンポ良くっていうのを意識して、投球間隔を短くするようにっていうのを意識してやってました」。三回にこの日初めての三者凡退を決めて、本領を発揮した。

 七回1死一塁では上本の打球が直撃するも、「グラブなので影響はなかったです」と落ち着いて処理して、併殺を完成させた。80キロのスローカーブも有効活用。直球と60キロ差以上の緩急をつけて、カープ打線をほんろうした。

 今季使用するグラブには、球種バレを防ぐために背面のレース(革ひも)を1本から3本に増やす工夫を施して、“信条”も刻み込んだ。『下を向いている暇があるのか』-。昨季同様、バレーボールが題材の漫画「ハイキュー!!」から拝借し、去年とは別のセリフをチョイスした。

 「自分は平凡というか、何も突出した物がない。球がめちゃくちゃ速いわけでもないですし、すごい変化球を持ってるわけでもない。でも、それで何か諦める理由にはならないですし、理想は高く。上を向いてやらないとなということで、いい言葉だなと思って」。“ブレーク2年目の進化”を目指す中で胸に響いた。パワーワードにも背中を押されて、9回1失点、112球の熱投。防御率1・06となってリーグ2位に名を連ねた。

 マツダでは昨季まで2戦2敗。相性は良くなかっただけに、「マツダで勝てたのは良かったです。去年勝てなかったので」と鬼門とならず胸をなで下ろした。逆転勝ちでチームは今季最多の貯金6。ゴールデンウイーク中の夜空に鯉を自由に泳がせることなく、4月を最高の形で締めくくった。

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