阪神 佐藤輝V3ランで奪首!竜3連倒で6連勝 雨切り裂いた弾丸3号「入るとは」バット持ったまま一塁へ

 6回、右越えに先制3ランを放つ佐藤輝(撮影・山口登)
 6回、右越えに先制3ランを放つ佐藤輝
 今季2勝目を挙げた才木(右)と決勝3ランを放った佐藤輝は笑顔を見せる(撮影・中田匡峻)
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 「阪神3(降雨コールド)0中日」(21日、甲子園球場)

 雨中の豪弾に虎党も大熱狂やで!阪神は0-0の六回に、佐藤輝明内野手(25)が決勝3号3ラン。グラウンド不良による七回表終了コールドゲームで、1分けを挟んだ連勝を6に伸ばした。中日に今季初の同一カード3連勝で、単独首位に浮上。甲子園6連戦初戦の16日・巨人戦での借金2から、一気に今季最多の貯金3とした。昨季の王者は完全に勢いに乗った。

 虎党全員がこの瞬間を待っていた。心地よい快音が響き渡り、白球が雨を切り裂いていく。佐藤輝はバットを手にしたまま、走り出した。「ちょっと弾道が低かったんで、入るとは思わなかったんですけど」。強烈な弾丸ライナー。右翼フェンスをギリギリで越え、スタンドの観客を雨も忘れさせるぐらい喜ばせた。

 両軍無得点の六回2死一、二塁。雨は強くなる。視界も悪くなり、何度もヘルメットの雨しずくを拭った。「足元もめっちゃ緩かった。でも、気持ちは切らさずにいくことができました」。フルカウントから松葉のスライダーに一振り。打球速度176キロの先制3ランとなった。

 才木が無失点と好投する中、徐々にグラウンドには水が浮き始める。「先に早く点を取りたいというのがあった」。とにかくバットに当てて、前に飛ばす。ミート重視の意識が最高の結果となった。今年の3本塁打は全て決勝弾。そして、聖地では今季初のアーチをかけた。

 神宮での今季1号、2号は大山のバットでかっ飛ばした。「ちょっとした差」と大きな違いはない。ただ、重きを置くのは己の感覚。実は、自身のバットも春季キャンプから大山モデルのグリップに変更していた。

 昨季は森下のバットをシーズン途中から借りると、上り調子に。そのバットは形状や重心の位置に違いがあった。昨年末の時点では今季も継続して使う予定だったが、新たな相棒に出会って決断。柔軟な対応力と日々の試行錯誤が結果へと結びついている。

 この試合は午前中から降り続いた雨のため、53分遅れで開始。小雨から次第に雨粒が大きくなった。それでも席を立つ人はいなかった。「雨なのに声を出して応援していただいて、すごいうれしかったです」。試合後には抽選で当選のファンクラブキッズとハイタッチ。去り際に「じゃあな。また、応援してな」と優しく声をかけた。

 チームは今季初の6連勝で今季最多の貯金3。中日に同一カード3連勝で一気に首位へ浮上した。「まだ順位はそんなに気にする時期じゃないと思う。しっかり一試合一試合、勝ちというのを目指してやっていきたい」。佐藤輝の一発で猛虎打線が完全に目覚めた。もう、止まらない。昨季王者には首位が似合う。

 ◆昨年9月以来の6連勝 阪神は引き分けを挟んで今季初の6連勝。昨年9月1日のヤクルト戦(神宮)から14日の巨人戦(甲子園)に11連勝して以来の6連勝となった。

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