「阪神１－０広島」（９日、甲子園球場）

　やっぱり華がある。阪神・佐藤輝明内野手（２５）の一挙一動が今季初の甲子園を沸かせた。「満員のファンの前で勝てたので良かったです」。打っては今季初のマルチ安打、足では全力疾走、守っても体で止める全力プレー。虎党の目を奪った。

　四回２死一塁では三塁線にゴロを放った。打った瞬間に一塁へ駆け出し、最後は大股でベースを踏む。「同時ぐらいだったんで、祈ってました」。セーフの判定に新井監督がリクエストを要求したが、覆らず。７打席ぶりの安打となった。

　七回無死でも右前打で今季初の複数安打。「もっといい当たりを出せるように頑張ります」。痛恨のけん制死で好機をつぶしたが、バットは好調気配を漂わせている。

　試合前には平田ヘッドコーチから守備の指導を受けた。「体で止めろ、と。エラーするにしても仕方があるやん」と参謀役。七回１死では堂林の強烈なゴロを体で止めた。素早く拾い上げて、正確な送球でアウト。７日・ヤクルト戦の適時失策を反省し、やればできることを証明した。「勝ちを目指して頑張ります」。勝利のために目の前の一球に集中する。