阪神・森下「走らなくていいやん」逆転2号“王者”の行進 一発打てば11戦10勝「チームを勢いに乗せることができる」

 手応えを感じ、バットをゆっくりと投げる森下(撮影・山口登)
 逆転2ランを放った森下(撮影・中田匡峻)
 6回、左越えに逆転2ランを放つ森下(捕手・山本)=撮影・山口登
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 「阪神5-2DeNA」(3日、京セラドーム大阪)

 確信歩きが手応えの大きさを示す。阪神・森下翔太外野手(23)が六回、左翼5階席に逆転の2号2ランを放った。これで昨年から本塁打を記録した試合は11戦10勝で、12球団トップとなる6打点と勝負強さを発揮。大山、佐藤輝とともに、クリーンアップの全員打点で前日の敗戦の重苦しさを断ち切り、地元での今季初勝利を呼び込んだ。

 森下は白球の行方を目で追うと、確信した。この日一番の大歓声の中、静かにバットを放り投げる。そしてベンチを指さしながら、ゆっくり歩き出した。

 「手応えはあったので、もう走らなくていいやんって思ってそのまま立ってました」

 1点を追う六回1死二塁。浜口にチェンジアップを3球続けられて、カウント2-1での4球目。「チェンジアップかまっすぐのこの2球種に絞って」と再び来たチェンジアップを完璧に捉えた。打球はあっという間に左翼5階席に到達。「バッティング練習でもあそこまでなかなか飛んでなかった」とびっくりの特大弾で逆転に成功。普段は打ってすぐに走ってしまうというが、その癖すら出ない完璧な一発で、初の確信歩きも決めた。

 1打席目は黄色のグリップテープを巻いたバットで凡退。2打席目以降は種類の違う黒のテープのものに変えた。すると四回1死一塁の2打席目では、直球を捉えて得点につなげる左翼への二塁打を放った。そしてそのバットで逆転の一発につなげた。「スイングの変化っていうよりかは、気持ちの変化。自分の中でいい感覚で打てるバットとそうでもないバットっていうのが試合の中であるので」。わずかな変化で“気分転換”し、1本塁打を含む2安打2打点につなげた。

 この日は大山と佐藤輝も打点を記録し、クリーンアップそろい踏みでの今季初逆転勝利。森下は今季6打点で12球団トップ、本塁打数2も12球団トップタイで「不安なく試合に挑めてる」と勢いは止まらない。

 31日・巨人戦(東京ド)では先制3ランを放ち、チームは今季初勝利。森下が本塁打を打った試合は11戦10勝と、ここぞの場面での活躍が光る。「ああいう場面で打てる選手がやっぱり信頼を得たり、チームを勢いに乗せることができると思う」とその重要性は自負している。

 今季の目標は20本塁打。すでに2本とハイペース。「ホームランが出れば打点も増えますし、そういう意味ではいいかな」と話しながらも、何より求めるのはチームの勝利だ。「ホームラン狙いに行くわけではないので、試合に勝てるように、そういうところで1本打ちたいなと思っています」。森下が打席に立てば何かが起こる。そんな風格すら漂ってきた。

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