阪神・小幡「ただ願っていた」 707日ぶりプロ2号が千金ダメ押し 即本塁打と判定されないリクエスト弾

 「巨人0-5阪神」(31日、東京ドーム)

 球場内にどよめきが残る中、阪神・小幡竜平内野手(23)は二塁上で誰よりも祈っていた。飛球は右翼フェンス最上部直撃か、スタンド最前列に飛び込んだか。「絶対入っててくれ、と。ただ願っていた」。ビデオ判定を終えた審判が手を回すと、ほおを緩めて三塁を回る。22年4月24日ヤクルト戦(神宮)以来、707日ぶりプロ2本目のアーチは価値ある“リクエスト弾”となった。

 八回から代走で出場。糸原の二ゴロの間に4点目を奪った後の九回2死で今季初打席へ。「前でああいう形で点を取ってくれたし、初打席だし、何のプレッシャーもなく」。松井の内角スライダーを引っ張って右翼へ打ち上げた。

 だが、本塁打と判定されずにプレーは続行された。二塁に到達すると腰に手を当ててぼうぜん。それでも岡田監督がリクエスト。ビジョンでフェンスを越えていることが分かる映像が流れると、左翼席が大きく沸いた。「打った感覚がなかった。いい角度でいってくれたのでびっくり」と小幡。価値あるダメ押し弾に声がはずんだ。

 同級生で仲がいい森下とのアベックアーチ。「それが初勝利になったので余計に良かった」。軽い足取りで帰途に就いた。

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