阪神・村上 初の開幕投手へ堂々 “無敵の初回”失点すら「いい練習」 改良ツーシームも満足の3回1失点

 先発し、躍動感あふれる投球を見せた村上(撮影・田中太一)
 3回、前打席で安打を浴びた西川と青木を連続で抑えた村上
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 「オープン戦、ヤクルト1-0阪神」(24日、ANA BALL PARK浦添)

 阪神・村上頌樹投手(25)が先発し、今年2度目の実戦で3回1失点と上々の仕上がりを印象づけた。昨季公式戦では一度もなかった初回失点を喫したが、意に介さず。伸びのある直球で2奪三振をマークして、改良を加えた“新ツーシーム”も効果を発揮した。開幕投手の大本命が一抹の不安も残すことなくキャンプでの実戦を終えて、初の大役へ自信を深めた。

 曇天の下での沖縄ラスト登板で、晴れの開幕投手への資格を示した。中軸に主力メンバーをそろえたヤクルト相手に、村上が昨季MVPの名に恥じない堂々の立ち振る舞い。「バランス良く投げられましたし、指の掛かりも良かったので大丈夫かなと思います」と確かな手応えを感じる、納得の43球だった。

 “無敵の初回”に献上した先制点も、シーズンへの教材だ。昨季は公式戦21試合、CSファイナルS1試合、日本シリーズ1試合の計23試合で初回無失点。この日は立ち上がりに西川と青木に連打を浴びて無死一、三塁のピンチを背負うと、サンタナの三塁併殺の間に1点を失った。

 「1点取られてもまあいいや、みたいな感じで、そこまで失点は気にしていなかったです」と振り返った場面。傷口を広げることなく、狙い通りの併殺に打ち取って最少失点で切り抜けた。「ああいう場面になったらゼロで抑えきるのは難しいのでいい練習ができましたし、気持ち的にも楽に投げられたので、こういうメンタル、考え方で大丈夫って確認ができてよかった」。予行演習から得た収穫は大きかった。

 「いろいろ試す」とテーマを設けて上がったマウンド。変化球の精度もチェックポイントのひとつだった。その中で光ったのがツーシーム。昨季も多投していた球種だが、曲がって落ちていた軌道を、真横に動くイメージに改良した。“新球”は決め球としてではなく、カウントを稼ぐ状況で試投。「ツーシームを練習してて、コースに投げられたので良かった」と満足顔を浮かべた。

 3回3安打1失点の内容に岡田監督は、「ブルペンでも去年と遜色ないようなボール投げとるから、ある程度はな。抑えられると思うけど、まだまだや」とさらにハイレベルなパフォーマンスを期待した。次回登板は5日からの楽天2連戦(甲子園)を予定。開幕を逆算した上での登板日程調整を「いや、そんなんは全然、してない」と否定したが、村上最有力の構図は揺るがない。

 キャンプを終えると、いよいよ“開幕月”に入る。「徐々に上げていく感じだと思う。自分の投球をして、しっかり監督にアピールできるように」。自身初の栄誉のため、村上は残された時間に抜かりなく準備を進める。

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