【岡義朗氏の眼】「実戦で振り切ることの難しさ」 阪神・前川が示した成果の一端 育成ドラ2福島と明暗

 「練習試合、阪神2-0サムスン」(20日、バイトするならエントリー宜野座スタジアム)

 阪神の前川右京外野手(20)が、チームの対外試合第1号となる右越え先制2ランを放った。デイリースポーツ評論家・岡義朗氏(69)は「タイミングをずらされても振り切った」と称賛。打者にとって「振り切る」ことの大切さを解説した。

  ◇  ◇

 前川と福島という新たな戦力として期待される2人。前川は先制2ラン。福島は1番に起用され4打数無安打と、結果としては明暗が出た。

 実際に打撃練習をこの日、初めて見させてもらったが「よく振れているなあ」という印象を持った。今岡打撃コーチに聞けば今季、阪神はチーム全体として「しっかり振り切ること」をテーマにキャンプを送っているということで「なるほど」と思わされた。

 そして、前川の打席に成果の一端が見られた。追い込まれて、少し抜かれたボール。そこでタイミングをずらされても「振り切った」ことで、前(投手寄り)のポイントで捉え、十分な飛距離の一発となった。

 一方の福島は、いずれの打席も特に変化球に対応しきれず、追い込まれると「振り切る」よりも当てにいってしまっていた。これはアマチュアよりワンランク上のボールに惑わされたものだろう。

 そこは数多く、質の高いボールを見て、慣れるしかない。その上で、例えばファウルなどでカウントを整え「振り切る」ことができる状況に持って行く。プロでも出色の足を生かすためにも、まずは打席内容を濃くしていく努力を求めたい。

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