阪神ドラ1下村 大器の片鱗 初ブルペンを和田2軍監督高評価 春季キャンプ2軍スタート、岡田監督「無理させる必要ない」

 阪神のドラフト1位・下村海翔投手(21)=青学大=が19日、鳴尾浜での新人合同自主トレで初めてブルペン投球を行った。捕手を立たせて20球。和田2軍監督ら首脳陣の視線を浴びる中、堂々とした投球を披露した。また、この日、1、2軍合同スタッフ会議が行われ、春季キャンプの2軍スタートが決定。焦らず、慎重に調整を進めて開幕ローテ入りを狙う。

 高まる気持ちを抑え、ブルペンに入った。入念に足でマウンドをならした下村。捕手を立たせたままで、伸びのある球がミットに次々と突き刺さる。力強く最後の20球目を投げ終えると、自然と頬が緩んだ。

 「硬いブルペンで投げやすかったです。大学時代も神宮球場でずっとやらせてもらっていて、似た感じというか。今日は全力投球というよりかは、マウンドの感触とか傾斜をいろいろ試しながら」

 年末以来となるブルペン投球で、まだ試運転。力も7、8割しか入れなかったが、モノが違うのは明らか。ネット裏で見守った和田2軍監督は「ちょっとキャッチボールに毛が生えた程度」としながらも、「フォーム自体に躍動感みたいなものがある。腕もしっかり触れていた」とうなずいた。

 投球を受けた片山ブルペン捕手も「ドラ1らしい安定した球筋は持っていますね。カット系の真っすぐが多かった。キャンプで仕上げていったら武器になると思う」と振り返った。

 ようやくベールを脱いだ右腕だが、1年目のシーズンへ向けて慎重に準備を進めていく。この日春季キャンプのメンバーが発表され、2軍スタートが決定。「どっちでもやることは変わらない。機会があれば1軍で活躍できるようにと思って練習したい」と下村に焦りはない。

 大学時代には右肘を痛めた経験もあり、考慮しての判断。岡田監督は「無理させる必要ないしな。2月1日に1軍となったら、自分なりにピッチを上げるやろ。1日は練習のスタートなんやから、今年のスタートじゃないから」と、時間をかけて調整させることを最優先した。

 右腕にとっては、人生初の沖縄上陸だ。青学大の春季キャンプ地も同県で行われていたが、新型コロナウイルスやWBCに出場する他国のチームが使用していたため、1度も訪れることができなかった。「ワクワクはないです。シーズンに向けてしっかり体作りだったり、調整を進める」。南国の地で浮かれる気はない。開幕1軍に照準を合わせ、一回りも二回りも成長する。

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