阪神ドラ1下村 ベジータになる ドラゴンボール全巻持参で入寮 悟空は常広!ライバルを追い越す

 阪神の新人8選手が7日、西宮市の選手寮「虎風荘」に入寮した。ドラフト1位・下村海翔投手(21)=青学大=は、人気漫画「ドラゴンボール」の全42巻を持参。自身を好きなキャラクターであるベジータに、広島のドラフト1位の常広を主人公でライバルの孫悟空に例えて、大学時代同様にしのぎを削り合う構えだ。“必殺技”のカットボールを武器にして、プロでもはい上がっていく。

 俺はベジータ、お前は悟空だ。つかもうぜ、球界のトップを-。プロ野球人生をスタートさせる下村の胸はワクワクしていた。元同僚でライバルでもある広島1位・常広との戦い。大学時代同様に切磋琢磨(せっさたくま)し、球界を代表する投手へと成長する。

 ドラ1右腕が寮に持参したのは、アニメ好きのきっかけとなった人気漫画「ドラゴンボール」全42巻だった。「悟空がフリーザと戦うところとか。悟飯がスーパーサイヤ人2になって。かっこいいなって思っていました」と、印象に残った場面を振り返りながら目を輝かせた。

 好きなキャラクターはベジータだ。「悟空に置いていかれながらも、ずっとはい上がってきて。かっこいいですよね」。惑星ベジータの王子で誇り高く、主人公の孫悟空にライバル心を燃やして修行に励むストイックな姿に、感銘を受けた。

 下村にもベジータと同じく、負けられない相手がいる。「常広がずっと注目されてきて。追いつけ追い越せと、ずっと頑張ってきた。プロでも高い位置でお互いに競い合っていける存在になりたい」と、チームが変わっても気持ちは同じだ。因縁の関係はこれからも続く。

 高いレベルで争うためには、もちろん結果を出さないといけない。「まだまだ、ナンバーワンというか、そういう成績を残せるとは思っていない。試合や練習をこなす中でいろんな課題が見えてくると思う。それを一つずつ克服していくことが成長していくために必要だと思います」。“宿敵”に勝つためにも、着実に成長していくだけだ。

 9日から始まる新人合同自主トレ。まずは、春季キャンプに向けた調整に集中する。「アピールしようと思うのではなく、いつも通りやっているところを評価してもらえるように。注目されるんですけど、そこは自分を抑えて意識せず」。自身の“必殺技”と定めるカットボールを駆使して、打者を倒し、プロの荒波を乗り越えていく。

 ◆ドラゴンボール 鳥山明原作の大ヒット漫画。初期は主人公・孫悟空と仲間たちが七つ集めると願いをかなえてくれる神龍(シェンロン)を呼べる「ドラゴンボール」集めを描く冒険活劇だった。そして徐々に格闘路線へシフトしていき、戦闘民族サイヤ人でありながら地球の平和を守ろうとする悟空とサイヤ人の王子・ベジータのライバル構図などに焦点が当てられることに。同作品は1984年から「週刊少年ジャンプ」(集英社)で約10年半にわたり連載。少年たちを中心に大勢の人のハートをつかんだ。

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