阪神・岡田監督方式の他球団導入 評論家「そう簡単にはいかない」と指摘 四球の査定アップなど複数球団が興味

 サヨナラ打を放った大山と笑顔で握手する岡田監督=11月1日
 10回、勝ち越しの押し出し四球を選び、雄たけびを上げる大山=5月撮影
 試合前に言葉を交わす岡田監督(左)、鳥谷敬氏=5月撮影
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 今季、リーグトップの四球数494をマークし、38年ぶりの日本一に輝いた阪神。岡田彰布監督が提唱した「四球の査定アップ」が大きな注目を浴び、今オフは中日、巨人、日本ハムなどから意識改革の声が上がっている。

 ただ、果たして他球団が導入してうまくいくのか-。阪神、オリックス、広島でコーチを歴任したデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「そう簡単にはいかないんじゃないかと思う。選手の能力、チームの状況にもよる。例えば機動力にしてもいいものはマネしようとしてテコ入れはしてきたと思うけど、現実的にどうだったかという話だよね」と指摘する。

 今季の阪神に関しては「やっぱり打者の力量があったと思う。去年まではファーストストライクを仕留める確率というのは高かったけど、今年はそこから粘って、粘って、最終的に投手が根負けして四球になるケースが多かった。各選手に追い込まれての強さがあったし、そこで岡田監督もブレずにね。四球を選ぶ大切さというのを教え込んできた」と分析。その上で「例えばカットマンへの送球を徹底するとか、守備の部分ではマネできる部分はある。だが打席での考え方というのは状況に応じてになる。細かい事の積み重ねができるかどうか。四球にも内容がある」と指摘する。

 セ・リーグでは投手が打席に入るため、8番打者が四球を選んで投手まで打順を回す。9番の前に出塁することで、投手は送りバントなど自己犠牲のプレーが可能になる。また中軸が満塁の状況で粘りながら押し出し四球を選ぶ。これらは“内容のある四球”と言える。

 一方で1点差の2死二塁の状況でクリーンアップに求められるのは打って走者をかえすこと。四球を選んで次打者に打順を回すよりも「やっぱりここで決めてほしいとベンチは思う。そこで四球となると、すごく流れが重くなる。そういう四球ではダメだということだよね。だから本当に四球は内容。そこを岡田監督が徹底的に指導したからこそ」と岡氏は提言する。

 「まず選手が状況をしっかり考えること。そして首脳陣もブレずにやっていく、教え込んでいく。そこに査定のアップも加味する。簡単にマネすればできるというものではないから、しっかり一体となってやることが大事なんじゃないかな」と評した。

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