阪神・村上 史上3人目MVP&新人王 同じ25歳パMVP由伸を意識「肩を並べられるような投手に」

 「NPB AWARDS 2023 supported by リポビタンD」が28日、都内で開催され、阪神・村上頌樹投手(25)が史上3人目、セ・リーグでは初となる最優秀選手(MVP)&最優秀新人をダブル受賞した。最優秀防御率のタイトルも加え“3冠”となった右腕は、会見場で同席したパ・リーグMVPのオリックス・山本に引けを取らない投手となることを誓った。

 球界のスターが並ぶ壇上に降り注ぐ無数のフラッシュ。この瞬間は、村上だけのものだ。「去年は悔しかったので…」。昨年までは2年連続で午前中に開催されるファーム表彰に出席。初めての景色を、誇らしそうに見つめた。

 「(MVP&新人王の)両方は想像してなかったですね。MVPはまさか自分が取れると思ってなかったので、とても光栄」

 衝撃とともに飛躍の1年をスタートさせた。4月12日・巨人戦(東京ド)で今季初先発すると、7回完全投球。白星はつかなかったが、球界に一躍名をとどろかせた。右腕も最も印象的な試合に挙げ「特に4番の岡本(和)さんを三振取ったところが一番自信になりました」と智弁学園の2学年先輩を打ち取った場面を振り返る。

 確かな手応えをきっかけに、今季は登板22試合で10勝6敗、1ホールドをマーク。最優秀防御率1・75を獲得した。プロ未勝利からの大躍進で18年ぶりのリーグVに大きく貢献。得票総数306票中、285票と評価を受けて新人王に輝いた。

 さらには、1990年の野茂英雄(近鉄)以来、史上3人目となる最優秀選手賞とのダブル受賞。セ・リーグでは初となる快挙を成し遂げた。「記録に名前を残せたことは良かった」とうなずいた。

 ともに25歳。身長差は3センチ。壇上ではにかむ2人。隔たる実力の壁。パのMVPであるオリックス・山本と受賞会見の記念撮影に応じた村上は、同学年右腕について問われると力強く宣言した。

 「一緒に写真撮影とかはできましたけど、自分はまだまだ実力は足りていない。肩を並べられるような投手になっていかないと」

 山本は3年連続のMVP。それだけではなく、3年連続の投手4冠&沢村賞などタイトルを総なめしている。「自分も複数のタイトルを何年も連続で取れるように」と意欲的だ。「今年以上の成績を求めてやっていきたい。10勝以上、防御率ももっと良くなると思ってる」。はい上がり、ようやく立ったスタートライン。球界のエースへ、新たな挑戦がまた始まる。

 ◆村上 頌樹(むらかみ・しょうき)1998年6月25日生まれ、25歳。兵庫県南あわじ市出身。175センチ、80キロ。右投げ左打ち。投手。智弁学園3年のセンバツで優勝し、東洋大を経て20年度ドラフト5位で阪神入団。21年に2軍で最多勝、最優秀防御率、最高勝率の3冠。22年も最優秀防御率、最高勝率の2冠。21年5月30日・西武戦で1軍初登板初先発。

 ◆村上が大接戦を制す セ・リーグMVPは近年まれにみる大接戦となった。1位票は村上で85票(27・7%)、大山が63票(20・6%)、近本が57票(18・6%)、岩崎が56票(18・3%)。MVP投票で1位票が4人に分散し、ここまで競ったケースは珍しい。全員で勝ち取った23年の阪神を象徴する投票結果ともなった。

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