阪神・岡田監督「楽しみどころちゃうよ」投手MVPに門別 連覇へ19歳左腕「隠しときたい」

 秋季キャンプを打ち上げ、笑顔で引き揚げる岡田監督。後方は門別(撮影・高部洋祐)
 ブルペンで投げ込む門別
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 「阪神秋季キャンプ」(19日、安芸)

 阪神は19日、高知県安芸市で行っていた秋季キャンプを打ち上げた。岡田彰布監督(65)はキャンプMVPに投手では門別啓人投手(19)、野手では野口恭祐外野手(23)を挙げた。来季の飛躍が期待される左腕について「(他球団に)隠しときたいよ」と改めて評価。球団初の連覇へ、若手の底上げに手応えを得た“実りの秋”となった。

 晴れ渡った安芸の空の下、全ての練習を終えると岡田監督は二塁後方の外野芝に選手、スタッフを集めた。約5分間の訓示。来年2月の春季キャンプまで「この2カ月間が勝負」と熱く語りかけた。

 11日の第3クールから9日間、若虎に熱視線を注ぎ続けた。戦力の底上げに確かな手応えを得て、指揮官も自然と顔もほころんだ。

 「いやいや、すごいうまなっていると思うよ。(春季)キャンプで(1、2軍)合同で紅白(戦を)やって、若いのを見たけど、その時に比べたら、みんな全然レベルアップしていると思うよ」

 中でも投手MVPに選んだ門別の評価は別格だった。指揮官は既に来春の1軍キャンプ参加に内定を与えていたが「楽しみどころちゃうよ。(他球団に)隠しときたいよ。どっか行かそか、台湾かどっか。分からんようなところで投げさせて」と“秘策”を披露。「あんまり新聞に書くなよ、ホンマに」と報道陣も“けん制”した。

 過去に自ら見いだした左腕にも重ねた。「07年のなあ、これは岩田(稔)は来年2桁勝てるなあと思ったけど」。第1次政権の秋季キャンプ。大卒2年目で未勝利だった岩田のブルペン投球を目にした岡田監督が「10勝できる」と断言。翌年に2桁勝利したことを引き合いに、門別のブレークを予言した。

 さらに「井川(慶)より全然いいよ、そら」と続けた。後に20勝投手となり、メジャーへと渡った剛腕の名前も挙げ、高卒1年目の現時点では井川以上との評価も与えた。

 開幕ローテーション入りの可能性にも「当然やろ、あのボール見たら。狙える力あるわな」と真顔でうなずいた。「誰か外さなアカンようになるわな。7人で回すのはもったいないからな」と、12球団トップクラスの先発陣に割って入るほどの逸材と強調するなど、期待感は“ストップ高”まで高騰している。

 “岡田の予言”がまたも的中するのか。抱えきれないほどの収穫を手にした実り多き秋。連覇への挑戦と並んで、楽しみはさらに増した。

 ◆岡田監督の『予言』 第1次政権時の2007年秋季キャンプで岩田のブルペン投球に熱視線を送り「10勝できる」と断言。その言葉通り、翌08年で岩田は10勝をマークした。06年秋季キャンプではブルペン投球中の渡辺亮に対しナックルボール習得に取り組む姿勢などを評価。渡辺は翌07年に53試合。翌08年は66試合で5勝2敗23ホールド、防御率2.67で活躍した。

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