1985年の日本一メンバーである元阪神の左腕エース、仲田幸司さん（59）＝配送会社勤務＝が３日、「阪神が優勝する。明日決まる」とかつての〝師匠〟岡田監督率いるチームの日本一を確信した。

　リーグ優勝、日本一王手をかけたここまで岡田監督の繰り出してきた采配が、際立っているが、仲田さんは現役時代からそれを感じていたという。当時先輩だった岡田監督を助手席に乗せ〝運転手〟として、甲子園球場の行き帰りをともにした関係とあって、師匠の考え方や野球への取り組み方は人一倍理解している。

　「明日の開幕戦１球目は何を投げる？」「カーブです」「お前エースやろ。初球はストレートやろ」とエースとしての心構えを教わった。また自身最多の14勝をマークした1992年に「たかだか14勝やろ。調子に乗っとたら来年、痛い目あうぞ」と厳しい言葉をもらった。その言葉通り翌年３勝に終わった。車中での一言一言が、的確だったという。

　４日の第６戦は、初戦と同じ村上頌樹と山本由伸が先発マウンドに立つが「村上が投げ勝つと思う。下からホップするようなストレートは、なかなか打てない。山本よりも伸び代があるんじゃないか」と、村上に軍配を上げた。

　仲田さんはこの日、他の阪神OBとともに神戸市内の住吉小学校で行われた少年少女野球教室に参加。1999年ドラフト1位の的場寛一さん（46）＝自営業＝は「明日決めてくれると思う。つなぐ野球が戻って来たし、1年間の岡田野球の集大成を見せて欲しい」と話した。また、山崎一玄さん（51）＝会社役員＝は「山本投手は次は必ず修正してくる。7戦まで行くと向こう（オリックス）のホームだし、宮城投手はさらに凄いと感じてるので、タイガースOBですが厳しい戦いになると思う」と、山本の修正力を警戒した。

　地元にある株式会社イーアールシーティーズが主催した野球教室には神戸市内の4チーム約100名が参加。OB７人が少年少女相手に熱心に指導した。亀山つとむさん（54）＝野球評論家＝は「野球は0で守り切るというのは凄く難しい、ピッチャーが抑えられないから内野手がいる、内野で抑えられないから外野が守る。外野は最後の砦（とりで）だから、少年野球の場合は上手い子がピッチャーや内野にいるけど、外野手はプライドや誇りを持って守ってほしい」と熱く語っていた。

◆参加した阪神OB　亀山つとむさん、仲田幸司さん、加藤隆行さん（焼肉店店主）、山崎一玄さん、山本翔也さん（保険代理店）、的場寛一さん、岡本浩ニさん（焼肉店店員）