【糸井嘉男氏の眼】「夢かなった」関西シリーズ 阪神のカギは上位打線の復調

 オリックスが「2023 パーソル クライマックスシリーズ パ」を勝ち上がり、ついに今年の日本シリーズは阪神との“関西シリーズ”が実現することが決まった。関西出身で、両チームのOBでもあるデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(42)は59年ぶりの関西対決実現に「夢がかなった」と感慨。阪神の38年ぶり日本一へのポイントに、上位打線の復調を挙げた。

  ◇  ◇

 いやぁ~ホンマに実現するんですね!関西対決は59年ぶり!?京都出身で関西人の僕としては、まさに夢がかなったという感覚です。

 それに僕は何と言っても両球団に所属していましたから、ホンマに夢のまた夢ですよ。僕としては、今回の日本シリーズは、いろんな意味で「エグいでシリーズ」です!!

 阪神は広島にストレートでCSを勝ち上がってきました。シーズン中の相性や実力差が随所に出た形の3戦でしたよね。すべて先制されて、ひっくり返しての勝利でしたから。

 でもね、特に打線はまだ本来の必勝パターンではなかったと思うんです。もちろん阪神の強みのひとつは木浪選手を象徴とする下位打線ですけど、CSではそこがポイントゲッターになっていた。

 下位打線がつないで1番の近本選手、2番の中野選手がかえして、それをさらにクリーンアップがかえして…というのが一番強い時の攻撃パターン。試合が空いた影響か、クリーンアップを含めて、上位打線は、まだまだ本調子ではなかったように感じた。

 オリックスは阪神に負けず劣らず、いい投手がそろっているチームです。特に山本投手は大黒柱中の大黒柱!CSではらしくない投球でしたけど、今度は違うはず。そうなると、いかにワンチャンスをものにできるかになってくる。その少ない得点機をものにするためにも、上位打線が一人でも多く本来の調子を取り戻さないと。

 その点、輝ちゃん(佐藤輝)はCSでの安打は2本でしたが、甲子園じゃなければ入ってたんちゃうの!?って大きな当たりもあったように、打つ型はいい時のままだった。ただ少し打ち損じもあったので、そこがもう少しアジャストしてくれば、あのシーズン最終盤のような試合を決めるような一発、一打が出てくると思いますね。

 オリックスの打線に目を向けると、やっぱりラオウ(杉本)がキーマンになると思っていたんですが…。打つと一気に盛り上がるお祭り男。今の好調ぶりを考えても、彼が出場できるかどうかはチームにとって大きいでしょうね。

 あと…どこに行っても「どっちを応援するんですか?」って聞かれるんですけど、「そら、どっちでもですよ!」と答えてます。ただし、僕は阪神で一応ね、スペシャルアンバサダー(SA)って肩書があるんで…。

 まあいずれにしても、両チームの年齢構成なんかを見てても、育成がうまくいって優勝につながった印象。そういう意味では、あと数年は関西のファンは楽しめるんちゃいますか!?とにかく「エグイでシリーズ」がどんな結末を迎えるのか、今から楽しみでなりません!!

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス