「東京ヤクルトスワローズ３－９阪神タイガース」（２３日、神宮球場）

　阪神は打線が爆発してヤクルトに快勝。先発・大竹は最高勝率のタイトルへ望みをつなぐ今季１２勝目。最多安打争いが注目される中野や不調だった森下が３安打。デイリースポーツ評論家・岡義朗氏は、この日のヤクルト戦から、各選手にテーマを設定させながらチーム力を向上させる岡田阪神のレベルの高さを感じたと指摘した。

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　この日の試合では、個人タイトルや個人成績といった各選手に目標を持たせながらチーム全体の力を向上させようとする岡田監督の意図が感じられた。ポストシーズンもにらむ中、『普通のこと』を、きっちりとやり続ける選手の意識の高さも感じる。

　まず先発・大竹は先頭打者の出塁を許した二回と三回に併殺でピンチを未然に防いだ。中でも二回１死一、二塁から古賀を投ゴロ併殺に。大竹が、あの打球で併殺を完成させるのは『普通のこと』ではあるのだが、普通のことを普通にやり続けることは容易なことではない。

　大竹に関して強いて反省点を挙げるなら村上や塩見から本塁打を打たれたチェンジアップの制球。ただし、この日の投球成績は８回３失点。あくまで高いレベルの中で挙げる反省材料といえる。

　一方、森下が三回に２３打席ぶり安打となる右方向への二塁打を放つなど３安打。技術的なことに触れれば、ヒットが出ていない時期は体の開きが早いように見受けられたが、この日はしっかりと壁ができていた。

　メンタルの部分では、１安打目は詰まり気味ではあったが、気持ちが楽になったのではないか。１安打目が２安打目、２安打目が３安打目を呼んだという見方ができる。不調の打者が１本のヒットで復調するケースがある。森下も、この日の３安打で復調が期待できるのではないだろうか。