阪神・島田 545打席目プロ1号 「近本さんの代わりになるか分からないですけど」1番・中堅は任せろ
「広島0-2阪神」(5日、マツダスタジアム)
離脱の近本が担ってきた「1番・中堅」の重圧を、解き放つに十分の一発だった。新リードオフマンに指名され、試合前はド緊張だったという阪神・島田海吏外野手(27)がプレーボール直後、森下の3球目にバットを振り抜くと乾いた衝突音と確かな感触を残し、鋭い打球が右翼へ伸びる。「切れないでくれ」-。ポールに直撃した瞬間、虎党歓喜の大声援が敵地を包んだ。
「近本さんの代わりになるか分からないですけど、僕は僕のやることをしっかりやりたい。自分のやることをしっかりやるだけだと言い聞かせて、試合に入れたのは良かった」
プロ545打席目での初アーチに、快足をほとんど緩めずダイヤモンドを一周。ベンチでは岡田監督とハイタッチを交わしたが、チームメートからはサイレントトリートメントで祝福された。
プロ1号を先頭弾でマークしたのは、1998年の坪井、2016年の高山に続いて球団3人目。「めちゃくちゃうれしいです!」とかみしめた初本塁打で、同学年で同郷の大竹に先制点をプレゼントした。三回には先頭で四球を選び、相手のミスにつけ込んで生還。2得点の活躍となった。
気温が高まってきたこの季節、体重が減少しやすいタイプとあって、「1回の量を食べられなくなるので、間食を増やすイメージ」と対策を練る。愛妻の手料理のサポートもあって、体重75キロ前後をキープ。手元に戻ってきた記念のホームランボールについて、「いつも支えてくれている妻に贈りたい」と感謝を示した。
1番打者として最高の形でチームを勢いに乗せたが、求められているのが長打力ではないことも自覚している。「強いスイングを心がけることは継続したいと思いますが、ホームランは忘れます」。照れ笑いを浮かべながら、次の戦いに視線を向けた。