阪神・前川が“強振”マルチ 連敗虎に光った存在感 スタメン3試合連続H&初長打
「日本ハム4-0阪神」(9日、エスコンフィールド)
期待の若虎が北の大地で躍動した。「3番・右翼」でスタメン出場した阪神・前川右京外野手(20)が、左翼フェンス直撃の二塁打を含むマルチ安打をマーク。出場3試合連続安打とした。1軍で初めて守備にも就き、無難にこなした。エスコンフィールド初見参のチームは新庄ハムに完封負けを喫し、痛い連敗。2位・DeNAとのゲーム差は4・5に縮まった。今季初の3連敗阻止へ、若武者のバットがチームの暗雲を吹き飛ばす。
前川が本物のスラッガーであることは、“手数”の多さが物語っている。20歳、1軍出場6試合目にして光る対応力。新球場・エスコンフィールドで大器の予感を存分に醸し出した。
「良い感じにコンタクトできたので良かったかなと思います」
八回2死。カウント1-1から池田の外角直球を捉え、プロ初長打となる左翼フェンス直撃の二塁打を放った。直前の1球では高め直球を強振して空振り。「修正しないといけないと思った」とすぐさまコンパクトなスイングに変更し、強烈な流し打ちを披露した。
1打席の中で見せた強振から軽打へのスタイルチェンジ。1軍投手相手にも難なくやってのけるあたりに、打撃の引き出しの多さがうかがえる。
とにかくやってみるのが前川のモットー。指導されたことは一度試してから取捨選択し、“食わず嫌い”はご法度とする。
「合う合わないは絶対にありますけど必ずやってみる。それが引き出しになることがあるので」
打席の中で思いつくアイデアは過去の試行錯誤から生まれるもの。体に染みこんでいるかすかな“記憶”が並外れた対応力を作り上げている。初回2死では下手投げの鈴木からファーストスイングで右前打を放っており、出場3試合連続安打&2試合連続マルチとなった。6日・楽天戦(楽天モバイル)で放ったプロ初安打から快音が止まらない。
この日は「3番・右翼」でフル出場。プロ初の守備に就き、7度の守備機会を無難にこなした。13日・オリックス戦(甲子園)からはDH制がなくなるが、打てて守れるとなれば必然的に出場機会は確保されるはずだ。初回1死一塁では、大山の中前打の際に一走として果敢に三塁を狙うも走塁死。「もうちょっと周りを見て行けたらよかった」と反省したが、積極的な失敗は次への糧となる。
「しっかり1打席、1打席頑張ります」。日に日に増していく存在感。チームに漂いつつある暗雲も、前川なら振り払える。
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