「楽天６－４阪神」（８日、楽天モバイルパーク）

　岡田監督の起用に見事結果で応えた。阪神・渡辺諒内野手は、迎えたチャンスの中で、冷静な一打で確実に得点をもぎとった。

　「最後、なんとか食らいついて最低限の仕事はできたので、そこは良かったかなと思います」

　２点を追う八回だった。大山の適時二塁打、佐藤輝の一ゴロの間に同点に追いつき、なおも１死三塁。一打勝ち越しの好機でも落ち着いていた。

　「内野も前に来ていたので、ランナー大山さんですし、ギャンブルというよりかは外野フライを打った方が確率は高いかなと思いましたし、フォーク主体のピッチャーだったので、なんとか低めを我慢してね」

　酒居が初球から３球続けたフォークを見逃し、４球目の直球にも手を出さず。再び来たフォークをファウルとし、フルカウントでの６球目、高めに来た１４６キロ直球を振り抜いた。高々と上がった打球を中堅・辰己が捕球すると三走・大山が本塁に生還。一時勝ち越しとなる犠飛で役目を果たした。

　前日は相手先発が右腕の田中将、中継ぎも松井裕以外右腕だったため、前川、島田ら左打者を起用。この日は先発が左腕の辛島だったため、右打者がずらり。その中で「６番・ＤＨ」でスタメン起用され、指揮官の期待に応える仕事ぶりを見せた。

　ただ、反省も忘れなかった。七回には無死一、二塁で打席に立ったが、空振り三振に。「３打席目で打てなかったので、そこは反省しなくちゃいけない」と唇をかんだ。悔しすぎる幕切れとはなったが、それでも前を向いた。「引きずらずしっかり明日切り替えて、またみんなで北海道に乗り込んでやっていけたらなと思います」。古巣打ちで次こそチームを勝利に導いていく。