阪神・ミエセス 特大1号!亡き父に捧ぐ衝撃デビュー 5・5に背番号「55」が躍動!貯金も5
「広島0-5阪神」(5日、マツダスタジアム)
打って守って大ハッスルの衝撃デビューだ。この日が1軍初昇格となった、阪神の新外国人のヨハン・ミエセス外野手(27)が「6番・右翼」でスタメン出場し、六回に左翼へ豪快なソロ弾を放った。5月5日のこどもの日に、背番号「55」の助っ人が今季最多貯金5となる、今季3度目の3連勝に貢献。首位DeNAに2ゲーム差に迫る快勝劇を導いた。
思いを乗せた白球が、マツダの空に鮮やかな放物線を描く。最愛の父へ-ミエセスの笑顔が輝いた。
「いろんなことがあってメンタル的にも厳しいというか、コントロールできないところもありましたけど、きょうはすごくうれしい一日でした」
来日初の1軍昇格で、「6番・右翼」でスタメン出場し、衝撃弾でデビュー戦を飾った。4点リードの六回1死。カウント2-2から塹江のフォークを一振り。確信の打球は左翼スタンドの2階バルコニー席に楽々と到達する豪快ソロに。20年・6月27日・DeNA戦(横浜)、サンズ以来の来日初出場試合での1号となった。
「(ホームランボールは)ドミニカに持って帰りたいなと思います。きっと彼は天国で見てくれたと思うので。僕も正直、きょうはうれしい気持ちなんですけど、心の中はすごく寂しいところもある。父も見てくれたと思うので、向こうでお父さんに届けたいなと思います」
4月、父が亡くなったことで一時帰国。つらい日々を乗り越え、最愛の人にささげた一発でもあった。その思いは、守備にも表れた。四回1死では秋山の右中間への打球を、走りながら必死にグラブを伸ばしキャッチ。帽子を飛ばしての好守でもチームをもり立て、勝利に貢献した。
「一生懸命するからな、チームにとっては絶対雰囲気的にも良くなるよな、ああいうプレーするとな、おーん」と岡田監督も昇格即見せた全力プレーに目を細めた。
令和5年5月5日、こどもの日に3万1193人の大観衆が詰めかけたマツダスタジアムを、背番号55が盛り上げた。チームは5-0で勝利し、今季最多の貯金5と、偶然にも「5尽くし」の勝利となった。
「勝つだけなので。みんなで元気を出して、いつものルーティンでこれからも勝ち続けたいと思います」。お立ち台の最後には「オサキニ!」と日本語でちゃめっ気たっぷりに笑ったミエセス。チームはこどもの日で7連勝。全力な姿でチームを引っ張り、虎党を魅了していく。
◆ヨハン・ミエセス(Johan Mieses)1995年7月13日生まれ、27歳。ドミニカ共和国出身。身長185センチ、120キロ。右投げ右打ち。外野手。メジャー経験なし。マイナー通算140本塁打で外野は全ポジションで出場。22年は3Aで出場60試合、打率・271、12本塁打、35打点。21年東京五輪ドミニカ共和国代表で銅メダルに貢献。