阪神・西勇 完投9回1失点 128球報われた今季初星 岡田監督「白黒つけてこい」

 お立ち台でガッツポーズの西勇(左)と中野
 サヨナラ打を放った中野を抱きしめる西勇(中央)
2枚

 「阪神2-1広島」(18日、甲子園球場)

 魂のこもった128球で黒から白へ、星を塗り替えた。3度目の先発の阪神・西勇輝投手(32)が今季初白星をつかみ、自身13年連続勝利も達成。22年8月19日・巨人戦以来の完投勝ち。八回ベンチ裏、岡田監督から「白黒つけてこい」と続投を指示され、「九回を投げさせてもらえることに感謝しながら上がりました」とマウンドに向かった。

 初回からリズム良く、3イニング連続で先頭を空振り三振。八回1死から四球を与えるも、犠打を狙った小園の打球を隙のないバント処理で二塁に送りアウトに。2死一塁で代打・田中を三振に斬ると、ガッツポーズを決めてほえた。

 両軍無得点のまま迎えた九回、2死三塁からマクブルームに適時左二塁打を浴び、マウンドにしゃがみこんだ。黒星を覚悟した直後、最高のドラマが待っていた。「中野、ナイスー!!」。サヨナラ打の殊勲者と熱い抱擁で喜びを分かち合った。

 昨オフは恩師にも感謝を伝えた。母校・菰野高野球部の戸田監督が今年3月末をもって定年退職。監督業は続けるが、昨年12月に行われた還暦パーティーに西勇も駆けつけ、直接ねぎらった。同日に「現役部員-OB」の交流戦も実施。プロの西勇は参加しなかったが、試合後に粋な演出が用意されていた。

 始球式ならぬ“終球式”。マウンドに西勇、捕手は2008年夏の甲子園でバッテリーを組んだ上部氏、打席に戸田監督が立った。120キロ台直球を左中間オーバー。「まぐれで当たって。西も『ナイスバッティング』って拍手してくれましたよ」。戸田監督は教え子との思い出をうれしそうに振り返った。

 甲子園のお立ち台で大歓声を浴びた夜。「チーム一丸となって勝てた1勝。野手に感謝しながら、次の試合にしっかり臨みたい」。支えてくれる人たちへの謝意を抱いて、西勇は腕を振り続ける。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス