新オーナー杉山氏“風評”一掃 阪急出身者初就任も「阪神タイガースは唯一無二」

 阪神は21日、同日付で藤原崇起オーナー(70)が退任し、阪急阪神ホールディングス社長の杉山健博氏(64)がオーナーに就任すると発表した。阪急電鉄出身のオーナー就任は初めて。杉山オーナーは同日、大阪市内で記者会見を開き、「阪神は唯一無二のブランド」と強調。同日付で代表取締役球団会長に就任した秦(しん)雅夫氏(65)とともに岡田監督をバックアップし、来季の優勝を自らのミッションに課した。

 穏やかな笑みを浮かべていた杉山新オーナーがマイクを握ると、武者震いした。「タイガースというのは90年近く歴史と伝統のある球団。そのオーナーは非常に重責なもの。身に引き締まる思いでございます」。阪神の歴史と伝統の重み…。それらをかみしめるように言葉を紡いだ。

 今回の就任は「想像もしていなかった」と驚きつつ、「身に余る大役」と受け止めた。黒のスーツには黄金色のネクタイが映える。この日の会見に合わせたというタイガースカラーが覚悟の表れだ。

 これまで阪神の球団オーナーは基本的に阪神電鉄の社長、あるいは会長が務めてきた。阪急電鉄出身のオーナーは球団史上初。クローズアップされる“阪急”については「全く意識しておりません」と言い切った。さらに会見後の囲み取材では“阪急タイガース”と揶揄する声には「全くあり得ない話だと思っている」と語気を強めた。

 「阪神甲子園球場を本拠地にして、長い間、多くのファンの皆様から愛され続けて歴史を積み重ねてきた。ひと言で言えば唯一無二のブランドとして、これからも阪神タイガースが変わるとかそういうことはあり得ない」

 会見では新たに就任した秦代表取締役会長と二人三脚でチーム強化を図っていくことを強調した。親会社の変更時に伴う30億円の支払い義務が発生することも危惧されていたが「問題ないと聞いております」ときっぱり。他球団へのあいさつ回りでは「阪神タイガースの経営権は阪神電鉄に引き続きございます」と明快に説明したといい、「ご理解はいただいているものだと思っている」と自信たっぷりにうなずいた。

 西宮市出身で阪神ファンの熱さは肌で感じている。「来シーズンの優勝に導く、これがミッション」と新オーナーは力を込めた。バックアップも惜しまない。「豊富な経験や知識を有しておられる」と岡田監督への信頼は絶大だ。18年ぶりのリーグ優勝へ、全身全霊をささげていく。

 ◆杉山 健博(すぎやま・たけひろ)1958年11月20日生まれ、64歳。兵庫県出身、東大法学部卒。82年に阪急電鉄に入社、常務などを経て、17年4月に同社社長。06年の阪急阪神HD誕生時には阪急側で経営統合を担当。同HDでは16年に副社長、17年に社長に就任している。

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