阪神・岡田監督 成功させるで勝負盗塁 自らサイン出し“ここぞの場面”得点力UPや
オレは出すよ-。阪神の岡田彰布監督(64)が30日、矢野政権下では、基本的に選手任せだった盗塁に関して、自らサインを出すことを明かした。チームは今季110盗塁とリーグ断トツの数字を残したが「大事なところで走れんとアカン」と、ここぞの勝負どころでの成功を期待。来季からは“量より質”で得点力アップを目指していく。
チームの武器は“ここぞ”の場面で生かす。求めるのは本当に必要なときに、確実に決めることができる盗塁だ。岡田監督は「得点につながる、そういう盗塁やったらいいけどな。大事なところで走れんとアカン」と強調した。
近年の阪神は“走れるチーム”になっている。特に矢野阪神では、2019年が100盗塁、20年が80盗塁、21年114盗塁、今季が110盗塁。120試合制だった20年以外はリーグ唯一の3桁台を記録し、4年連続でトップを誇る。
特に今季は19、20年に続く、3度目の盗塁王に輝いた近本、昨年の盗塁王・中野、そして島田の3人が20盗塁以上をマークするという、球団62年ぶりの快記録も残した。積極性を前面に出した矢野阪神では、基本的に盗塁は“行けたら行け”のいわゆる『グリーンライト』。コーチ陣、スコアラーの努力もあり、盗塁を量産した。
走れる選手はいる。技術も意欲も育った。岡田監督は残された、その“遺産”を自らでコントロールする考えだ。「グリーンライトなんか、オレ今までやったんは赤星だけやで。そら、(年間)50、60走るからやるわけであって、20、30でせえへんよ」と断言。盗塁のサインを「オレは出すよ」と明かした。
そのためのデータも集めている。この日の秋季練習では午前中に、各選手の二盗タイムを計測。筒井外野守備走塁コーチは「ひとつの目安として」測ったことを説明した。
矢野政権に続き、走塁部門の指導を行う同コーチは「監督が(サインを)出されたときに、応えられるようにするのが仕事。“ここで走ってくれ”って言われたときに、絶対セーフを取りたい」と、より成功率にこだわっていく考えを示す。
岡田監督は「走らんでもいいぐらい、みんな打ったらええけどな(笑)。そんなムダな冒険をする必要がないくらいにな。そういうことやんか、結局は」とうなずく。あくまでも目指すのは打力アップ。盗塁は“量より質”の考えのもと、采配を振っていく。
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